「猫写・前編」に続き「だから東京が好き!街のねこたち」“キヨちゃん”による、「街猫を上手に撮るコツ」をお届けします。
背景をボカすには次のようにします。
絞り→開ける(数字のより小さい方にセットする。)
焦点距離→長く(望遠レンズほど背景がボケます。)
被写体との距離→短く(接近するほど背景がボケます。)
焦点距離:135mm、絞り:F2.2
詳しいことは専門誌に譲りますが、一眼レフユーザーであれば、少なくとも次のようなことについて、知っておかれるとよいと思います。
<一眼レフ>
◆絞りとシャッターについて
これらは撮影のために、フィルムや撮像素子に取り込む光の量を調節する機能がありますが、それだけではなく、撮影した画像に対して、次のような影響があります。
絞りは、ピントの合う範囲に影響します。
絞りを絞る(数字が大きくなる方に調節する)とピントの合う範囲が前後方向に広く(深く)なります。
シャッターはブレと関係します。
シャッタースピードが遅くなると手ブレを起こします。
また、写っているものもブレます。
◆レンズの焦点距離について
焦点距離が長いレンズ(望遠レンズ)は、写せる範囲が狭くなります。つまり、遠くのものが大きく写ります。
焦点距離の短いレンズ(広角レンズ)は、写せる範囲が広いくなります。遠くのものはより遠く小さく写ります。
単純には以上の通りですが、写る範囲が違うことによって遠近感の表現が異なってきます。
もう少し具体的に言いますと、望遠レンズでは、手前に写ったものと背景に写ったものの距離が短く見えます。
これに対して、広角レンズでは、背景が遙か遠くにあるように見えます。
また、ピントの合う範囲が望遠になるほど前後に狭く(浅く)、広角になるほど前後に広く(深く)なります。
これらの特性は背景の処理に利用することができます。
◆露出補正について
カメラが自動的に決めたシャッタースピード、絞り値に対して、人間が修正を加える機能です。
最近のカメラは評価測光といって、順光、逆光などもカメラが自動的に判断して明るさを調節する機能を持っていますが、それにも限界があります。
また、撮影意図としてわざと明るく写したい場合、暗く写したい場合などにも活用します。
以上のようなこと知るだけで、表現の幅がぐんと広がります。
<コンパクトカメラ編>
コンパクトカメラの場合、シャッタースピードと絞りはカメラ任せにして、シャッターチャンスに専念した方が、いい結果を得られるようです。
レンズの焦点距離による特性と露出補正は一眼レフ編をご参考になさって下さい。
コンパクトカメラを使っていて、一番イライラするのはシャッターを押してから撮影されるまでの時間が長いことではないでしょうか。
これはピント合わせに時間がかかっているためです。
実は、シャッターボタンは2段のスイッチになっいてまず半分だけ押し込むと、カメラはピント合わせを行います。残りの半分を押すとシャッターが切れます。
この機能を活用して、まずシャッターを半分押してピントを合わせ、その状態でシャッターチャンスを待ちます。
そして、ここぞという所で残りの分を押し込むと、思いのほか早いタイミングでシャッターが切れますよ。
お試し下さい。
理屈ばかりでは何なので、次は実践編です。
思いつくままに並べて見ましたが、少しでもヒントになれば幸いです。
広角レンズになると写り込む範囲が広くなります。
主題を明確にするには、被写体に接近します。
それでも背景は極端にボケず、状況がよく分かります。
焦点距離:28mm