近くの公園をねぐらにしている猫さんたちを捕獲して、不妊手術されたわけですが、お金まで自費で負担してやろうと思われたのは?
hana*さん:ジュルを見ていたからですかね。
私は下町育ちで、回りに野良猫がいても結構寛容な雰囲気だったんです。
前のマンションの辺りも、野良猫を許してくれる雰囲気がありました。
強烈な餌やりさんとかいましたしね。
でも、ここに住み始めて違うんだな~って感じました。
「餌なんかやるなよ」って感じなんです。
私たちには、今猫を捕獲しても里親さんを探し回るとかできない。
では、何ができるか?って。
これ以上、ジュルのような不幸な猫を増やさないようにしたい。
そして、人と暮らして、誰かと寄り添えば汚かった猫もこんなに可愛くなるんだよ、って実体験を伝えたかったんです。
捕獲の時のご苦労は?
hana*さん:人の目ですね。
逆の立場だったら、誰だかわからない人間が夜中や明け方にがたがたしていたら不審に思いますよね。
こっちは悪いことをしているわけではないけど、みんなが好意を持ってくれるわけじゃない。
下手な誤解は招きたくない。
あらぬ摩擦は起こしたくない。
この辺は野良猫を巡ってのトラブルが多いよ、って最初から注意は受けていました。
良い人そうに見えても、本当のところはわからないし。
人の目は怖かったですね。
何してんだ!って怒られたし。
今、公園で暮らす猫たちはどうですか?
hana*さん:前は牽制しあって、食べることで争っていましたが、今は餌やりさんが来るとみんな集まってきて、ボスが食べて、その後みんなで食べている。仲良くなりましたね。喧嘩する声が聞こえなくなりました。
ご主人:でも、今は公園近くのマンションの工事が始まったりしたので、少し散り散りになったりしてますけど。
それと、近くに僕たちが「猫屋敷」と勝手に呼んでいるお宅があって。
そこは、多数の猫を放し飼いにしていて、不妊手術もしていないんです。
そこの猫たちの勢力が強くて、公園猫が追っ払われたりする。
それまで車道に出なかった猫たちが追いやられて、最近だけで3頭が車にはねられました。
手術をしないで放任飼いされる、たった1軒のお宅でも、環境はつながっていますから。このままでは猫がどんどん増えていってしまうだけで。
hana*さん:主人は男性ですから、直接文句を言いに行く、っていうんですけど。
でも、私たちはここに越してきたばかりで、回りがどんな人かわからないし。
だから自分たちで調べてわかったことを、犬猫の飼い方普及委員会の人たちに伝えて、そう言うところから指導していただければ良いな、と区に相談しているところです。
行政は身勝手で、ご都合主義でこんな相談には乗ってもらえないかな、と思っていたけど、実際は違いました。
区もできる限りのことはしたいと思ってくれていて、親身になって相談にのってくれています。
ご主人:餌やりさんもたくさんいらっしゃるのですが。
ある初老の男性は4時に来られる。
そして6時に来る女性が、前に来る人が餌を置きっぱなしにしていくのでカラスが来て困る、片付けていけないのは許せない、って云われたんです。
なので、僕らがその男性と話をしたら、気がついてなかったらしくて、今後はもっと早くに片付けに来ますね、って。
その方も、公園の猫を7頭も保護して自分の所で飼っている。
話し合えば分かり合えるんですね。
皆さん、良い人なんですよ。
みんな、猫が可愛いと思っている。
動物が好きなんです。
でも、感情的になってしまうとスゴイですね。
話し合いができなくなってしまう。
hana*さん:自分たちは新しく越してきたばかりだからできたかも知れない。