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いっぱい抜けてもハゲない猫の毛?!(3ページ目)

換毛期を迎えて、もういいだろぉ~と思っても抜け続ける猫の毛…。毛深い猫は、そのおかげで清潔な皮膚を保つことができます。猫の毛の話…色々です。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

セルフグルーミング
セルフグルーミングは大切な日課

猫の毛の成長過程

成長期:
毛の元になる細胞(毛母細胞)が活発に分裂し、次々と角質化して毛が伸びる時期です。
毛が伸びる部分によって猫の栄養状態や年齢によって変わってきます。
成長期が長ければ、毛は長く伸び、特に夏は成長起毛が増える時期です。
平均的な猫の毛が伸びる速度は、1週間で2mm程度です。

退行期:
毛母細胞の分裂が停止しはじめ、毛の成長が止まり抜けるまでの時期です。

休止期:
毛母細胞の細胞分裂が停止し、次の毛が成長を始めるまでのお休み期間です。
冬は休止期毛が増えます。冬に毛が抜けてしまっては保温ができませんから、ちゃんと自然の知恵が働いているのですね。

毛は、ある程度の期間延び続けると寿命を迎えて抜け、また同じ毛穴から新しい毛が生えてきます。
犬や猫はモザイク型(異なる成長サイクル)で被毛が成長しますので、一つの部分がまとめて抜けることはなく、常にあちこちの毛が抜けて生え替わっています。
春と秋は換毛期で、特に春から夏にかけては一番たくさん毛が抜けます。
栄養状態が悪かったり、全身性に疾患がある場合もよく毛が抜けます。

猫の毛の構造

毛幹 皮膚の表面から上に生えている毛の部分。
毛根 皮膚の中の毛。
毛球 毛根が入っている部分の一番下、球根のようにふくらんでいる部分。
毛乳頭 毛根の底のくぼみ。神経や毛細血管が集中していて、ここで毛に必要な栄養素を取り入れます。
毛乳頭が破壊されなければ毛は何度でも生え替わることができます。
毛乳頭に正常に栄養が行き渡らないと、被毛は不健康になり毛づやがなくなったりバサバサしてきます。
毛母細胞 毛乳頭の上のふくらんだ部分。毛乳頭から栄養素をもらい、毛母細胞が分裂し毛が成長します。
毛包 「上部毛包」「中部毛包」「下部毛包」の3つに別れている毛根全体を取り巻く組織を指します。
毛孔 毛が表面に出てくる箇所。毛穴のことです。

被毛に必要な栄養素

猫の被毛はほとんどタンパク質でできています。
タンパク質には動物性と植物性のタンパク質がありますが、猫は完全な肉食動物なので、良質な動物性タンパク質を摂る必要があります。
動物性タンパク質には猫に必要な必須アミノ酸がすべて含まれています。

体内で脂肪酸となって皮膚の細胞を形成するには2種類の脂肪酸(リノール酸とアラキドン酸)が必要です。
リノール酸は猫の皮膚と被毛のコンディションを保ち、不足すると被毛は乾燥して光沢を失い、脱毛したり皮膚炎を起こしたりします。

必須ビタミン、ミネラルも健康な皮膚や被毛を作り出すのに必要です。
ビタミンAは皮膚の成長と修復のために、ビタミンEは酸化による障傷から皮膚を守り、ビタミンCは怪我の修復を助けます。

ビオチンはタンパク質の利用に役立ち、リボフラビン(B2)は脂肪とタンパク質の代謝に必要、その他亜鉛、銅など様々な栄養素が必要量摂られて初めてバランス良く美しい被毛を保つことができます。

猫がいつも美しい被毛でいるために、猫の栄養素を考えて作られた良質なフードをあげてくださいね。
■photo by Yamamoto■

次回は「まだまだ続く抜け毛、その対策は!」です。お楽しみに!

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