2)猫に必要な栄養素 |
一般に猫に必要な栄養素は以下の通りとされています。
たんぱく質:成猫全食餌量の25%、脂肪:全食餌量の25-30%、炭水化物:全食餌量の33%以内、ビタミンA :200IU、ビタミンB2:0.5mg、ビタミンB6:0.3mg。ビオチン:950mcg、ビタミンD:150IU、ビタミンE:5mg
(参考文献 家庭の猫の医学著・デヴィッドテイラー アスペクト社)
これら全ての栄養素を正しい量とバランスで給餌する為には、やはりキャットフードを与える事が簡易であろうと思われます。
昨今では実に種々多様なキャットフードが出ており、どれを選んだらいいのか迷う所ではありますが、成分表などをよく吟味して、上記の栄養素が網羅されており、秘尿路結石の素になる成分を控えてあるもの(FUS対応フード、などと書かれています)で、なおかつ、猫がその栄養素の必要量を満たす分量の食餌を喜んで食べるもの、つまり嗜好性の強いものである事が必須となります。
最近では「グルメタイプ」などと書かれた、栄養価が高く嗜好性の強いものも多く見かけますが、その手の食餌ばかりを与えると食いつきはよくても肥満の素になりますので、注意が必要です。
3)ステージ別に与え方を変えよう |
人間でも、赤ちゃんと青年期、また老齢化してから食べ物が違ってくるように、猫もそのステージによって、必要とする栄養価も量も変わって来ます。
よく間違えてしまうのですが、子猫の時に「ミルク」を与えようとして牛乳を飲ませてしまう人がいますが、猫は肉食動物で、牛は草食動物ですから、同じミルクでも成分が違います。よって、子猫に牛乳を与えると下痢を起こしたりアレルギーを起こしてしまう事がありますので、猫に牛乳を与えてはいけません。人間用の粉ミルクも同様の理由により、与えない方がよいです。猫には猫の粉ミルク。今は少し大きなペットショップに行けば簡単に手に入りますので、必ず猫用のミルクを与えて下さい。
また、よく「うちの子猫が異常に食べたがるのですが、与えていいのでしょうか?」というご質問を頂きますが、子猫はこれから大きくなる為に栄養を必要としているから、食物を求めるわけですから、基本的には食べたがるだけ与えていいと思います。ただし、半年を過ぎて、子猫から幼猫になる頃少し注意をしてやらないと肥満猫になってしまいますので猫の体型と相談しながら量を加減してやって下さい。
猫の肥満についてですが、よく「うちの猫お腹がたるんでいるのですが・・太りすぎですか?ダイエットさせた方がいいのでしょうか?」というご質問も頂きますが、従来猫はお腹が垂れている体型です。猫だけでなく、猫科のライオンもトラもみんなお腹がたるんでいると思います。
猫の肥満はお腹ではなく、背中でみます。撫でて背骨を掌に感じる程度が丁度よいので、よく触らないと背骨が分からない猫ちゃんは要注意です。もっとも、その位に太っていたら見た目にも「太ってる」と分かるくらいではあろうと思いますが。