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猫免疫不全ウィルス感染症 猫エイズ(FIV)(2ページ目)

猫の三大伝染病の中のひとつ、猫エイズの感染経路や治療方法など。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド


◆どうやって感染するのか


感染には二通りあり、ひとつは母子感染です。
感染している母猫から生まれた子猫は、生まれながらにして猫エイズのウィルスをもっている事があります。
後天的に感染する経路は、キャリアーの猫との喧嘩による噛み傷からウィルスが入る「直接感染(唾液感染)」であり「空気感染」はしません。
人間のエイズウィルスは唾液ではうつりませんが、猫エイズは唾液感染するため、グルーミングする習性のある猫は、一匹が感染した場合隔離しなければ全員に感染してしまう危険性があります。
かように猫エイズは、人間のエイズとは異なるウィルスなので、猫から人間に感染する事はありません。

◆予防はできるの?


残念ながら、現在の所では予防する為の薬などはありません。
この病気は直接感染ですから、猫エイズのウィルスを持っている猫と接触させない事、この方法以外に予防方法はありません。
日本の外猫の感染率は10%を超えていますので、外飼いしたら猫エイズをうつされる可能性が大ありだという事です。


◆猫エイズかどうか調べる方法


大抵、何らかの軽い症状が出ますので、サインを見逃さない様にしてあげて下さい。
猫エイズにかかっているかどうかは、動物病院で血液検査を受ければその場で分かります。


◆治療方法は?


2002年3月22日にアメリカ農務省により、初の「猫免疫不全ウィルス(FIV)」に対するワクチンの販売と獣医での使用が認可されましたが、日本ではまた認可されていないのでこの薬は使えません。
これ以外に現状では猫エイズの有効的な治療法は確立していないので、治療は症状が出た所から手当をする「対処療法」をとって発症を遅らせるしかありません。

いずれにしても、感染している事がハッキリ分かった場合には、他の猫に次々感染していかない様に外に出すのはやめて欲しいですし、感染していても発症さえしなければ長期に渡って生きる事もできますので、栄養価の高いものを与えて免疫力の向上を図ってあげるようにしてあげて欲しいです。
間違っても「不治だから」と勘違いして、安易に安楽死させたりする事がありません様に。




※次回のガイド記事・コラムは「正しい猫の食餌」です。(6/10掲載予定)
(前回予定していた「こんな猫と暮らしたいVol.2 アメリカンショートヘア」は諸般の事情により、6/20頃の掲載となります。お詫びして訂正致します。)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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