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スポーツを見る薄型テレビはこうして選ぶ(2ページ目)

4年に一度のオリンピックはテレビ放送と深い関係を築きながら歩んできました。今回の北京は史上初の全番組フルHD制作。しかも、多くの人が薄型テレビでそれを見るのです。これから買うならまずこの記事を!

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド

鮮やかさを狙った「記憶色」が
長時間視聴の邪魔になる場合も

次にメジャーな人気種目の代表、サッカーを例にとって見ましょう。ここでポイントになるのは芝生の緑の自然さ、芝目の解像感、選手のユニフォームや観客席を彩るサポーターの色彩、ボールや選手の動きといったところでしょう。

「記憶色」という言葉を最近よく耳にしませんか? 現実の光線など環境で変わっていく色でなく、例えば海の青はこう見えるはず、という人間のイメージの中にある色をさす言葉です。最近のテレビは、HDMI入力時のX.V.Colorや色表示のビットを増やしたディープカラーをはじめとして、色の再現範囲が広くなり(これを色域の広帯域化といいます)各社、芝生の緑の鮮やかさを競っています。

この「記憶色」の名の下に、まるで寿司折のフェイクの笹のように青々とした人工色の芝生を見せられて違和感を覚えることが少なくありません。長丁場の視聴を考えて、自然な緑を選びましょう。広帯域をうたうテレビにはかならず色域の選択機能が設けられています。これを切り替えて自然に見える方を選びましょう。

ただし、広色域自体はサッカー観戦の強いサポーターになります。スポーツにおける色彩は、単なる識別性やナショナルカラーの記号を超えて闘争的な覚醒や興奮を生み出す、エモーショナルな作用を狙ったものです。それこそ、競技に立ち会うものが共有する臨場感と熱狂の源泉ですので、色彩のニュアンスを描き別けるテレビがいいに決まっていますから。

現在、もっとも色彩の再現範囲が広い製品がパナソニックのプラズマテレビPZ800系で、色彩の中に潜む人の「情念」までも表現する優れたテレビです。

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パナソニックTH-50PZ800は、ハイビジョン比120%の広色域プラズマパネルを採用、同社ハリウッド研究所の圧縮と拡張のノウハウを導入したカラー リマスターとの合わせ技で広大な色再現とニュアンスに富んだ映像を表現するプラズマテレビ。水平視野角の広い大画面であることも魅力 店頭実売価格\437,000(ヨドバシカメラ調べ 5月27日現在)


激しく動き回る選手、パスされるボールの横方向の動きに破綻をみせないことも大切です。かつて指摘された液晶方式の動画ボケは、倍速10ビットパネルの普及で非常に改善されました。

液晶テレビには、VA方式とIPS方式があり、液晶体の配向(封入展開された
状態での並び方)が垂直か水平かという違いがあります。VA型液晶パネルは水平視野角が比較的狭く、見る位置が画面センターから左右に外れていくとコントラストが低下し、画面がしらっ茶ける欠点があります。VA方式パネルの生産メーカーが、シャープ、S-LCD(ソニーパネル)、サムスンです。

それを改善したのがIPS方式ですが、現時点で42V止まりという制約があります。IPS方式の生産メーカーがパナソニック、日立です。動画表現についてはVA型が改善で若干リードしているようです。

フルハイビジョンで46V型以上の液晶テレビはVA方式が主流(シャープ、ソニー)です。ファミリーで、あるいは友人たちと一緒に観戦するのなら、上記のメーカーのテレビの購入を検討している場合、販売店の店頭で自宅のリビングをイメージして左右から映像を眺めて見やすさを確認しましょう。

さて、オリンピックを見るための薄型テレビ選びについて結論をまとめましょう。
  • 史上初のフルHD制作のオリンピックはフルハイビジョン(37V~)で見よう
  • 液晶方式から選ぶ場合、10ビット倍速パネルを選ぶこと

  • 家族で見る場合、液晶大画面のVAは見る位置によってはやや見づらいかも。買う前にリビングのソファの位置をイメージして、シミュレーションをしよう
  • コントラスト、ガンマ調整が容易で、色温度の選択範囲が何段階かある製品を選ぶ
  • 色再現の広帯域化は原則歓迎。ただし、色域の選択ができたほうがいい

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