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薄型テレビの音のパートナー・ヤマハ(4ページ目)

薄型テレビがリビングに入ったら、映画を心行くまで楽しみたいもの。それが「テレビ」か「映画」かをサウンドが大きく左右します。テレビ置き台とサラウンドが一体になったヤマハの新製品を紹介します。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド

映画からコンサートライブまで端正なサラウンドの5ビーム。プログラムに併せてモードを選ぶ楽しさも

正月にBSから録画した音楽ソースをYSP-LC3000で聴いてみましょう。

AAC方式5.1chで収録された『ウィーンフィルのニューイヤーコンサート2008』を5ビームで聴くと、音が伸びやかにクリアに広がり、十五年前に私がそこにいたムジークフェラインの透明な響きを聴きました。ただし、音がややハイ上がりになる傾向があるので他のモードも試しましたが、やはり「5ビーム」がもっともいい結果が得られました。ステレオ+3ビームは音が太く重くなる傾向があります。

次に聴いたのが、『世界のエンターテイナー、ライザミネリ』。NHKホール収録のこのソースはディレイ(遅延~反響の深さを決める)が深く、ナチュラルなエコーが掛かっています。「ステレオ」で最も好結果が得られました。「ステレオ+3ビーム」も、ボーカルがしっかり出て臨場感も豊かで悪くありません。

「3ビーム」だと、響きが付きすぎて、ボーカルの響きが前後に割れる傾向があります。新機能の「マイサラウンド」も試してみました。ライザのボーカルがオケや反響音から浮き上がって、ステージサイトの臨場感が出ました。

肝心の映画ソフトはどうでしょう。ブルーレイディスクで発売された『ブレードランナー』(6枚組)は、やはり5.1chの「5ビーム」が基本ですが、俳優の口跡が鮮明でセリフが聞きやすいのは「ステレオ+3ビーム」。深夜に小音量でご覧になりサラウンド感を特に求めないなら、お薦めの視聴スタイルです。

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YSP-LCW3000(予想実売価格\150,000)のシルバータイプを設置したリビングルームのイメージ。テレビとYSP-LCW3000をHDMIで接続すれば、テレビのリモコンで大半の操作ができるようになる。高価なシステムコントローラーを使ってできた世界がYSPを使ってできるのだ

デジタルサウンドプロセッサーは、ワンアンドオンリーな技術のオリジナリティ、シンプルで合理的なパッケージング、薄型テレビとピタリ一体化する生活の中での使いよさで、現在一番洗練されたフロントサラウンドです。

私はこの方式を高く評価しますので、YSP-LC3000を広くお薦めします。ただし、実際にスピーカーを部屋の各所に置いたときのように、音が背後から克明に聴こえたり、部屋の中を明快に移動するまでには至りません。そこまで求めるなら、たとえ小型の簡便なタイプでもスピーカーを部屋の片隅に置くことをお薦めします。どちらを選ぶかは優劣でなく、スタイルの問題なのです。

映画の中に豊かに含まれた音情報を、内蔵スピーカーの平板な音から開放してやって、映画本来の映像とサウンドが(足し算でなく)掛け算になってドラマを描いていく形に戻す、薄型テレビの求めた現時点で最良のパートナーが、デジタルサウンドプロセッサーであると考えればいいでしょう。

【関連リンク】
ヤマハ YSP-3000

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