大画面ばかりではない。中小画面のテレビも不滅
課題は10ビット倍速パネルの採用
さて、「10万円で買える」最新のAQUOS、LC-20D30-Rは期待に違わない出来映えの製品です。この価格で2月9日に発売されてホヤホヤの製品が買えるのですから、今回も文句なく「買い」です。何より非常に明るいテレビなので、メーカーの狙い通り、子供部屋、和室、寝室であろうが、お店の店頭であろうが、どんな環境で使っても「ボンヤリ暗くて見づらい」ということがありません。省エネも考えられています。
D30シリーズのカラーバリエーション。32型が5色、26型が3色、20型が5色用意されている |
映像も非常にきれいです。ただし、デフォルト状態(工場出荷状態)の場合、明るいがゆえの過剰感もないわけでないので、豊富な調整機能を活用してより美しい映像に調整してみてください。
20型台の薄型テレビは欧米あるいは中国、アジアのような新興国ではそれほど引きがなく、逆にパーソナル志向の強く、居室容積の狭い日本で根強いニーズがあります。
世の中は「大画面」ばかりに目が行きがちですが、中小画面は不滅なのです。ですから、「10万円以下で買える」本機も世界一目の肥えた日本の顧客向けに手を抜かない立派な出来映えになっているのですが、次の課題はやはり10ビット倍速パネルの採用でしょう。例え20Vの小画面といえどもその差はちゃんと分かるはずです。
もちろん、コストの問題はありますが、ソニーとの合弁生産が決まり、東芝への供給がまもなく始まる予定される液晶テレビ生産の雄、シャープにはぜひ他社に先駆けてやっていただけると嬉しいのですが。
さる1月24日に催されたAQUOSの新製品発表会から。D30シリーズのデモ風景。パーソナル需要にいかに力を入れているかがわかる |
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