壁掛けがダメでも「壁寄せ」を狙え。リビングにピタリ溶け込む超薄型のXシリーズ
「超薄型」Xシリーズは3機種。LC-46XJ1-B、LC-42XJ1-B、LC-37XJ1-Bで実売予想価格は46万円前後、43万円前後、35万円前後 |
3シリーズの中で最も注目を集める華やかな存在がXシリーズです。この新シリーズは過去の薄型テレビが決してやらなかったある大胆な合理化があります。といっても、どこかで手を抜いたというわけではありません。何だと思いますか?
テレビを立たせるための脚が同梱されていないのです。ですから、Xシリーズ本体だけを買ってもラックに置くことが出来ません。壁掛けにするか、フローティングスタンドを買うか、別売りの専用テーブルスタンド(AN-46/37ST1/2 15,750円)を買うかを最初に決めなければなりません。これぞ、量販主体の日本のテレビ販売の常識を破った新提案といえるでしょう。
本体ディスプレイ部に別売のテーブルスタンドを設置したところ |
Xシリーズのセッティングについては後述することとして、テレビの特徴を紹介しましょう。
LC-46XJ1-B(46V型)実売予想価格46万円前後
LC-42XJ1-B(42V型)実売予想価格43万円前後
LC-37XJ1-B(37V型)実売予想価格35万円前後
いずれもフルハイビジョン(解像度1920×1080)であることはいうまでもありません。「エクストラスリム」と冠したXシリーズの最大の特長は、ディスプレイ部の厚さが3.44cm(最薄部)であること。発表で先行した日立のUT(Ultra Thin)シリーズの3.5cmを僅差で上回ります。チューナー部は日立と同様に別体で1本のケーブルで接続、録画機能は持ちません。
テレビ映像の毎秒60コマを二倍の120コマに変換して動画ボケを軽減する倍速120Hz駆動、15000:1のコントラストレンジ、12ビットBDEの階調再現(発光の基本をなす青、赤、緑の各色を12ビット相当の会長に拡張する)でなめらかな高画質を実現、薄型3ウェイ8スピーカーシステム(アンダースピーカー)とシャープ独自の1ビットデジタルアンプによる高音質、そしてAQUOSファミリンクを搭載して、同社のレコーダーと連携動作が出来ることが特徴です。
技術者を亀山工場に集結させて完成させた「超薄型」
日立を僅差で破ったXシリーズの薄型パネルはどのようにして実現したのでしょうか。去年の8.5cmから一気に半分以下にしてしまったのですから、何か一箇所の改良だけで達成できるようなものではありません。ディスプレイ部の厚さは3.44cm(最薄部)という「エクストラスリム」を実現 |
まず、パネル部分とテレビ(受像機)部分の技術者を亀山工場に集結し、電源ユニットの改良から着手しました。次に効率を上げて放熱ファンを追放するなど、細かな改良を積み上げてこの薄さを手にしました。
実際、発表会場にディスプレイされたXシリーズは、最大46Vの大画面での「最薄3.44cm」が強烈に引き立ち、目を惹きつけます。しかも、3シリーズが3月1日に同時発売という力業です。これでは、せっかくこの分野で先行した日立が「超薄型」の露払いのようになって気の毒(日立の42V型は4月上旬発売予定)な気がしないでもありません。ガイドは、両社新製品の滞りない市場導入を期待します。
画質の評価については、あらためて取材の機会を持つことにして、Xシリーズの最大の特長である薄型を生かしたセッティングの提案について検証してみましょう。
シャープ株式会社の杉野事業部長に「壁掛け設置を奨励しているようですが、日本の家屋構造以前に、リビングで1日の多くを過ごす女性(主婦)は一般的に部屋の模様替え、リフォームが好きで、テレビを一箇所に固定してしまうことに潜在的な反発があるのですが、どう考えますか」と聞いてみると、杉野氏の回答は、
「壁掛けよりも、壁面にピタリ、テレビを寄せることのできる壁寄せをソリューションとして提案していきます」というものでした。
全機種に対応するフローティングスタンドAN-46BR1が3月発売予定ですが、セッティングして美しく、スペースユーティリティに優れ、しかも壁掛けより簡単な「壁寄せ」が実現したらさぞかし、素敵でしょう。
次のページでは、同時に発表された「高経済性」のAQUOS Eシリーズについて紹介します。