外から見たさざえ堂。やはり珍しい形です |
なぜさざえ堂という名前なの?
さざえ堂は、白虎隊の墓所で有名な飯盛山にあります。サザエさんが祀られたさざえ堂というのはもちろんウソで、さざえの殻のような形をしているからざざえ堂です。形も摩訶不思議ですが、内部もなかなか凝っています。入口から入り、一方通行の階段を上り、ぐるぐる周りながら最上階に到達、そのまま一方通行でぐるぐると降りてくると、いつの間にか入口とは反対側の出口に着いているという、ちょっと魔法のような構造です。言葉で説明するのはなかなか難しいので、ぜひ一度、この「ぐるぐる」を体験してみてください。
もともとは、正宗寺というお寺のお堂として江戸時代の末期に建てられたもので、当時は阿弥陀如来を本尊とし、ぐるぐる階段のあちこちに、三十三観音像が安置されていたということです。つまり、この塔をぐるぐる回って降りるだけで、西国三十三ヶ所めぐりができてしまうということですね。しかし、正宗寺は、明治初期の廃仏毀釈で廃寺となり、今はさざえ堂だけが残っているのです。
さざえ堂内部。階段がぐるぐる回っています |
東京にもある
さざえ堂
この世にも珍しい建物は、江戸時代に大ヒットしたもので、関東以北にいくつものさざえ堂があったそうです。お江戸における代表的なさざえ堂は、今は目黒にある羅漢寺です。当時羅漢寺は本所にあり、この目新しい建物でぐるぐる歩きを体験するために、江戸っ子たちがこぞって出かけたとのこと。しかしその後羅漢寺はさまざまな歴史の波にもまれ、目黒に引っ越した今は、さざえ堂はありません。西新井大師にも、さざえ堂と呼ばれる建物があります。が、あそこのさざえ堂は、あんまりさざえには似ていません。というわけで、これだけ本物のさざえにそっくりなさざえ堂は、日本中探しても、ここにしかありません。
●次は、いよいよ仏都会津めぐりのハイライト、「ころり三観音」にお参りします。