会津大仏
(願成寺)
通称、会津大仏と呼ばれる巨大な阿弥陀三尊像がある願成寺は、ラーメンで有名な喜多方にあります。こちらの阿弥陀三尊像は、鎌倉時代の作品。中尊の阿弥陀如来像は2メートル40センチもある立派な大仏様。光背には、1000体もの小さな仏様(化仏)がちりばめられています。観音菩薩、勢至菩薩の両脇待は大和座りというポーズです。仏像は、多くが胡坐をかいたような結跏趺坐という座り方をしていますが、大和座りは、正座してほんの少し中腰になったような形です。阿弥陀様は亡くなった人を極楽浄土からお迎えに来てくださる仏様で、観音、勢至菩薩は阿弥陀如来の手下です。大和座りは、すぐに立ち上がって阿弥陀様のお手伝いができるようにという心使いを表現しているのです。
しかし、この座り方をした観音、勢至菩薩は、本当に珍しい。有名どころでは、京都の三千院や即成院ぐらいでしょうか。京都でも貴重なこの形の仏像を東北でも見られるとは、かなりな驚きです。
会津大仏がある願成寺 |
中央薬師がある勝常寺 |
中央薬師
(勝常寺)
続いて訪問するのは湯川村の勝常寺。中央薬師と呼ばれる薬師如来は堂々の国宝であります。確かに風格も細部のつくりも素晴らしく、同時代の作品でやはり国宝に指定されている京都醍醐寺の薬師如来にも決して負けていません。この二つの薬師様は、ちょっとメタボな体型であるところも似ているんだなぁ。勝常寺には、このお薬師様の脇待である日光、月光菩薩や四天王像など、平安時代の仏像がずらりとそろっています。これほどたくさんの平安仏が並ぶ寺は、京都でもあまりないほどです。すごいぞ、仏都会津!
●次は、会津若松市内にある世にもまれな建造物、さざえ堂にご案内します