神仏とともに生きていた昔の日本人にとって、年越しは、神社仏閣と密接に関係しています。そこで今回は、年末に行われる神社仏閣の儀式や風習についてQ&A形式でご説明し、その後、京都の除夜の楽しみ方についてルポしたいと思います。
まずは、年末に神社で行われる「大祓い」という儀式について。夏のはじめに、神社でよく茅の輪を見かけますが、あれは、実は年末にも行われることを知ってましたか?
Q1
大晦日に行われる「大祓い」とは
どんなものでしょうか?
A.宮中や全国の神社では、大晦日に、1年の罪や穢れを祓う大祓いという儀式を執り行います。大祓いは一年に二度あり、ひとつは、6月末ごろに行われる「夏越(なごし)の大祓い」、もうひとつが大晦日に行われる「年越の大祓い」で、それぞれに、半年分の罪穢れを祓います。
大祓いの時には、拝殿の前に茅の輪が設置される。これは、江の島の江島神社の夏越の大祓いの際に撮影したもの |
Q2
「大祓い」には
一般人も参加できるのですか?
A.はい、できます。どんなことをするかというと、まず、茅の輪くぐりです。茅の輪のくぐり方 |
そして次はまっすぐ入って右に回り、
再度入って左に回り、まっすぐくぐってそのまま神前に進みます。
どこの神社にもあるとは限りませんが、もしも見つけたら、これで半年分の罪穢れが祓えるのですからぜひくぐってみてください。夏越しの大祓いをする神社はよくありますが、年末は何かと忙しいせいか、年越の茅の輪くぐりができる神社は比較的少ないと思います。また、本来は31日にするものですが、大晦日は多忙なので、それより前に行う神社もあります。
京都の岩清水八幡宮でいただいた人形。封筒がついていて、送付するようになっている |
Q3
「大祓い」では、
人形(ひとがた)も使うのですか?
A. はい、そのとおりです。紙で作った人形に、名前や年齢を書き、その人形で体をなで、三度息を吹きかけて奉納します。神主さんにお祓いをしてもらうと、無病息災になると言われます。境内などの川に流す場合もあります。これは比較的多くの神社で行われるようです。氏子さんにあらかじめ送付する神社もあります。また、遠方の有名神社でお祓いしてもらいたい場合は、お祓い料を添えて送付する方法もあります。
●次のページは、除夜とはどういうものであるか、なぜ一晩中起きているのか、などの謎に迫ります