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皇女和宮終焉の地で琵琶を聞く(5ページ目)

箱根の塔の沢温泉から少し登ったところに、阿弥陀寺という山寺があります。住職さんは琵琶の名手で、訪れる人に弾いてくれます。この寺では皇女和宮の葬儀が行われ、のちに篤姫も追悼のために訪れました。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

皇女和宮の
数奇な人生

阿弥陀寺への山道。篤姫も、この道を歩いて登ってきたのでしょうか
NHKの大河ドラマ「篤姫」をごらんになっている方はご存知と思いますが、皇女和宮は、篤姫の夫の徳川家定の次に将軍になった14代将軍、徳川家茂の奥さんです。皇女というからにはむろん実家は天皇家で、公武合体のために徳川家に嫁ぎました。

しかし、結婚が決まる前から和宮さんには相思相愛の相手があり、泣く泣く、お江戸にお嫁に来ました。大奥に入ってからも公家風の生活様式を守り通し、亡き夫から家茂の後見人を務めるようにと言われていた篤姫とは、何かと摩擦が多かったようです。
家茂の死後、和宮は、徳川家のために力を尽くし、大政奉還が行われました。


脚気の療養のために
箱根に来た和宮

境内にある道祖神。まるで、和宮と家茂、篤姫と家定みたいに仲のよい夫婦の神様
和宮は、32歳のときに脚気になり、伊藤博文の薦めで、箱根の塔の沢に療養にやってきます。そしてそのまま亡くなられました。

したがって、ここ塔之沢が和宮終焉の地。徳川将軍家の菩提寺芝・増上寺での本葬に先立ち、阿弥陀寺で、通夜・密葬が執り行われました。現在も、和宮の御位牌がお祀りされており、 和宮香華院と呼称されます。本堂には、和宮の御念持仏、黒本尊阿弥陀仏(秘仏)も安置されています。

また、最後には徳川家のために共に尽力した篤姫も、のちにこの寺にやってきて、和宮を偲ぶ歌を詠んだということです。


和宮のお墓は、東京芝の増上寺、篤姫のお墓は、東京上野の寛永寺に、それぞれの夫とともに並んでいます。徳川将軍の墓地で、このように夫婦が並んでいるのは、この二人だけだそうです。


お寺なのにお稲荷さんの狐像もある。よく見ると、かわいい子狐を連れている
●徳川家定、天璋院篤姫のお墓については、こちらもごらんください。
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