高幡不動尊は
東京の奥座敷のような寺
立派な五重塔を背景に咲くアジサイ |
敷地は広く、室町時代に建てられた仁王門や、東京都最古の文化財建造物である不動堂、平安様式の五重塔など、美しい建物が点在しています。伽藍の背後には、里山とも呼べそうな木々の茂った丘があり、四国八十八ヶ所の縮小版コースともなっています。
日本有数のアジサイの名所
6月から7月上旬がアジサイのシーズン |
境内のあちこちにさまざまな色のアジサイが咲き誇ります |
ご住職の川澄祐勝さんは、「うちは、一年中、皆さんに楽しんでいただける寺を目指しています」と、笑顔でおっしゃいます。「アジサイは、この前調べたら、200種類もあったそうですし、紅葉だって、決して京都の寺に負けない。それは、わたしたち寺の者が、皆さんに、いつ来ても楽しいと思っていただくために、努力して造ってきたものです」
周辺は東京近郊の新興住宅地で、わたしがはじめてここにきた25年前とは、かなり様子が変わっています。しかしお寺の敷地と背後の丘だけは、当時のままの雰囲気を保っています。自然の草花や景観は、人がその価値を認識し、守って来なければ存続しません。そういう意味で、高幡不動尊は、東京人の宝とも言えるのでは。
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