寺・神社/鎌倉の寺・神社

鎌倉、初夏の花めぐり。長谷寺と光則寺(3ページ目)

今年も鎌倉に初夏がやってきました。アジサイもいいけれど、長谷寺や光則寺には、その他の可憐な花もたくさん咲いています。江ノ電を使うこのエリアでは、お得なフリーきっぷもフル活用できます。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

うってかわって
静かな光則寺

初夏の花が咲き乱れる光則寺境内
光則寺は、長谷寺のお隣の筋をちょっと奥に入ったところにある小さな寺です。観光客の多い長谷寺から来ると、あまりの静寂にびっくり。何しろ拝観受付の人さえいなくて、門のところに「境内保全のため、100円入れてください」と書かれた箱があるだけなんですよ。

山を背景にした境内は、わたしがイメージする「鎌倉の隠れ寺」そのもの。整えすぎない自然な感じの庭園のそこここに山野草が咲き、奥にはうっそうと樹木が茂っています。そこには、鎌倉の寺につきものの墓地や岩を削った謎の洞窟があります。このへんの何とも言えない暗さや湿っぽさが、わたしにとっては、鎌倉ならではの魅力。怨霊の都と言われる京都とはちょっと違う意味で、死者たちの世界をすぐ近くに感じるのです。

●光則寺の詳しい訪問記がこちらにあります

ここのやぐらは
牢屋だった

光則寺には、典型的なやぐらもある
鎌倉の寺の奥や切通し路では、よく、山肌の岩を掘った洞窟を見かけます。これは「やぐら」と呼ばれ、中世の武士たちの墳墓でした。したがって、その洞窟の奥には、供養塔や石仏、石碑などがたくさんあります。つまり、鎌倉というところは、どこを歩いていても、武士のお墓だらけなんです。

鎌倉は平地はあまりなく、山沿いに住宅街があります。一般の方の住宅のすぐお隣に、中世の人の墓地がある。東京で暮している者にとっては実に不思議ですが、鎌倉人にとっては当たり前のことなんでしょうね。

光則寺の奥にも墓所とやぐらがあります。大きな洞窟は、ここでは墳墓ではなく、迫害を受けた日蓮上人のお弟子さんであった日朗上人が幽閉された牢です。誰かが幽閉された牢というのも、鎌倉の寺でしばしば見かけるアイテムです。なんだかちょっと怨念がこもっているようで怖いです。
これが日朗上人が幽閉された牢。
怨念が漂っているように感じるのはわたしだけ?
京都や奈良では、こういう生々しいものは、あんまり見かけないです。確かに怖いが、わたしは謎めいた場所が好きなので、こんなところを一人で歩いて写真を撮るのが、鎌倉行きの目的だったりします。
●光則寺でこのシーズンに見られる花その1
●光則寺でこのシーズンに見られる花その2


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●続いて長谷寺と光則寺で見つけた美しい花のある風景アルバムをお楽しみください
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