寺・神社/鎌倉の寺・神社

鎌倉、初夏の花めぐり。長谷寺と光則寺(2ページ目)

今年も鎌倉に初夏がやってきました。アジサイもいいけれど、長谷寺や光則寺には、その他の可憐な花もたくさん咲いています。江ノ電を使うこのエリアでは、お得なフリーきっぷもフル活用できます。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

長谷寺は
古くからある観音様の霊場

海辺の町ならではの明るい光があふれる長谷寺
長谷寺という名前の寺は全国に多く、中でも有名なのが、ここ、鎌倉の長谷寺と奈良の長谷寺です。どちらも、巨大な十一面観音像がご本尊です。

奈良の長谷寺はきわめて由緒の古い観音様の霊場ですが、鎌倉の長谷寺も、天平8年(736)の創建と言われ、関東地方では有数の古刹であります。江戸時代には、庶民の方々が、江の島や大山巡礼のついでに物見遊山に訪れた人気スポットであったということです。

観音様の
大きさくらべ

観音様の浄土は、南の海のかなたにあるとされる。ここ長谷寺からも、南の海がよく見渡せる
奈良の長谷寺も鎌倉の長谷寺も、大きな観音様が自慢です。

●奈良の長谷寺の観音様は、像高 10.18m
●鎌倉の長谷寺の観音様は、像高 9.18m

ということで、奈良の長谷寺の観音様のほうが1m大きいです。
しかしながら、どちらも、木造の仏像としては日本有数の大きさであることは間違いありません。
山沿いに、美しいお堂が点在する
ちなみに、奈良の長谷寺の場合、お堂の形の都合上、一般拝観者は、観音様の胸から上ぐらいしか拝むことができません。(ご祈祷をお願いした際などには、内陣に入って足元から拝めますが)
一方、鎌倉の長谷寺の観音様は、一般拝観者も足元から全身を拝めます。

どちらの観音様も、楠の一本造りです。一本造りとは、手などの部分は別として、体の基本的な部分を一本の木から彫る造り方です。こんな大きな観音様を造る木がどれほどの巨樹であったかが、想像できますか?

観音様だけでなく、長谷寺には各種の仏像がある。これは、弁天様の洞窟内で見つけた道祖神
大きさだけでなく、二つの観音様は、お顔立ちや姿もよく似ています。どちらもホームページ上にお写真があるので、比較してみてください。

●鎌倉の長谷寺のホームページ
●奈良の長谷寺のホームページ

四季の花を楽しめる
仏教テーマパーク

奈良の長谷寺と鎌倉の長谷寺の共通点は、巨大な観音様だけではありません。どちらも山の斜面を利用した広大な敷地を持っており、その中にお堂がいくつもあって、ゆっくりと散策を楽しめる点や、境内に咲き乱れる花の美しさも似ています。
鎌倉の長谷寺は、いつ行っても、何かの花が咲いている
奈良の長谷寺の花は、主に桜とボタンです。一方、鎌倉の長谷寺では、四季折々に各種の花が咲き続け、いつ行っても、何かの花が見頃です。鎌倉の場合、暖かいせいか、お正月明けの寒い時期にも、何かしら花が咲いているのが嬉しいですね。
●長谷寺でこのシーズンに見られる花その1
●長谷寺でこのシーズンに見られる花その2

一切経蔵。これを回すだけで、内部に収められているすべてのお経を詠んだと同じ功徳がある
また、鎌倉の長谷寺は海に向かっての景観が美しく、外国人観光客も多くて、お寺としては珍しいほど明るい雰囲気を持っています。歩いているだけで楽しくなる仏教テーマパーク。わたしにとって鎌倉の長谷寺はそんな存在です。

お参りどころも多く、中でも、弁天様が祀られた謎の洞窟が魅惑的。また、一度回せばここに収められている一切経のすべてを詠んだと同じ功徳を得られる経蔵もあります。わたしはこれが大好きで、どこのお寺でも、発見すれば必ず回すようにしています。一度回すだけでご利益がいっぱいなんですよ。

●次のページはお隣の光則寺をご案内。長谷寺とは対照的な静けさをお楽しみください
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