寺・神社/東京の寺・神社

花見情報第一弾!目黒で桜と仏像を楽しむ(3ページ目)

今年の冬は寒かったけれど、ようやく春の到来です。お花見の予定も、そろそろ気になりますね。今回は、東京の目黒で、有名な目黒川沿いの桜と、意外に豊富な仏像ウォッチングを楽しむお話です。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


東京は、石仏の本場でもある

これもお不動さん。なかなか面白い形です
目黒不動は別格的な大判ぶるまいですが、東京の寺では、扉を閉ざして仏像を直接拝ませてくださらないことも多いです。が、そのかわり、東京の寺には、個性に富んだ石仏が多く、仏像マニアの目を楽しませてくれます。

わたしは、奈良や京都の有名な仏像も好きですが、東京のあちこちで見られる名もない石仏も大好き。著名な仏像と違って写真を撮り放題である点も魅力です。

光のあたり具合で、石仏は、さまざまに表情を変えます。そのためわたしは、石仏の多い寺にいると、ついつい時間を忘れて撮影に没頭してしまうのです。


美しいお地蔵さん

美しいお地蔵さん。これまで見た石仏の中で、一番美人だと思います
数ある目黒不動の石仏の中でも、わたしが特に気に入っているのは、この美しいお地蔵さん。お地蔵さんは、普通、若い男性の僧の姿に造られますが、この像は、まるで聖母マリアのように見えます。この場所は、賽の河原と名がついているので、迷える子供たちを救う聖母の意味もあるのでしょうか。

その脇にある、脱衣婆像もなかなかユニーク。脱衣婆は、亡くなった人の罪の重さを計るため、その衣服を剥ぎ取る役目を持つ、ちょっと恐いおばあさんです。これなんかも、奈良や京都の有名な寺では見られない、東京ならではの面白い造形ではありませんか。こういうのが時々見つかるから、東京の寺めぐりはやめられないんだなぁ。

脱衣婆と美人地蔵のいる賽の河原


役行者の像も発見!

役行者像。よく見れば、両脇に案内人である鬼もいる
意外な人物の像も発見。なんと、役行者様です。これは石仏ではなく金属製で、本堂に向かう石段の真ん中あたりの祠に祀られています。

役行者は、奈良時代に実在した、ものすごい霊力を持つ人物で、修験道という日本独特の山岳信仰の開祖です。起源は奈良の吉野山。役行者は、吉野山中を歩きまわって修行し、蔵王権現という仏様を感得しました。その際、山の案内をしたのは、2人の鬼で、これは夫婦とされます。鬼とはいうものの、これも実在で、古代から山で暮していた人々を象徴するものと言われます。

修験道は、中世から江戸時代にかけて盛んに信仰されました。日本の山岳霊場は、多くがこの修験道の修行の場で、たくさんの庶民が団体で山登りをしました。日本人が登山好きなのは、こんなところにもルーツがあるのです。

これは、目黒不動ではなく、新井薬師の桜。同じ東京の寺のお花見風景なので、あくまでイメージカットとしてお楽しみください
●目黒不動尊の付近には、これ以外にも、仏像や石仏を見られるお寺がいくつもあります。それらのご案内は、また次回のお楽しみとして、ともかく、合言葉は、
「東京で桜と仏像を見るなら、目黒に限る!」

●これまでの東京の神社仏閣散歩に関する記事は、こちらもごらんください。

●目黒近辺をはじめとする東京のお寺散歩についてもっと知りたい方には、「お寺で遊ぶ 東京散歩」をお勧め!

●写真満載、携帯に便利な東京散歩ガイドをお探しの方には、「お江戸寺町散歩」もお勧め!

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