寺・神社/東京の寺・神社

花見情報第一弾!目黒で桜と仏像を楽しむ(2ページ目)

今年の冬は寒かったけれど、ようやく春の到来です。お花見の予定も、そろそろ気になりますね。今回は、東京の目黒で、有名な目黒川沿いの桜と、意外に豊富な仏像ウォッチングを楽しむお話です。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


目黒不動は、関東地区最古の
お不動さんの霊場である

目黒不動尊の本堂。この中に、円仁さんが自ら彫られたご本尊(秘仏)やその他の仏像が多数ある
東京には寺が数々あるけれど、たいていは江戸時代に建立されたもので、京都の寺に比べたら歴史が浅いんじゃないの?

それは、イエスでありノーです。

確かに、東京中心部にある寺は、主に江戸時代のものですが、ちょっと周辺部に行けば、平安時代に建立された高幡不動とか、奈良時代にさかのぼる深大寺など、京都に負けない由緒のあるお寺があるのです。

開山以来湧き出している独鈷の滝の水をかけてお参りするお不動さん
目黒不動もそのひとつで、創建は、平安時代の808年です。のちに比叡山延暦寺の最澄の弟子になり、当時の日本の仏教のトップである天台座主という地位につく円仁というお坊さんが、故郷の下野(しもつけ、栃木県)から京都に向かう際、ここ、目黒に立ち寄りました。その夜の夢におそろしい形相の神様が登場し、お告げがありました。

「我を渇仰せん者には、諸々の願ひを成就させん」
夢から覚めた円仁さんは、その神の姿を彫り、この地に祀りました。それが目黒不動尊瀧泉寺の始まりです。

境内には、その当時から枯れることなく流れているという「独鈷の滝」もあり、その水をかけてお参りするお不動さんの像もあります。こちらには、それ以外にもいくつもの不動像がありますが、これが一番立派かな?

●目黒不動尊瀧泉寺のホームページはこちらです。

仏像は目黒不動に限る!

円仁さんが自ら彫ったというそのお不動さんは秘仏で、12年に一度、酉年に開帳されます。しかし、目黒不動は、境内も広く、たくさんのお堂や石仏があって、東京に暮す仏像マニアとしては、「東京で仏像を見るなら目黒不動に限る」と言いたくなるほどの充実ぶりです。言わば、東京都心部の仏像テーマパークですね。

本堂には、そのご本尊以外の仏像もいくつもあり、自由に拝めます。その他のお堂に祀られた仏像も、お堂内部には入れなくとも、扉が少し開けてあって、どんなお姿だか、ちゃんとわかります。仏像には、「守り本尊」と言って、各人の干支に対応した守り神のような
ものがありまして、(まあ、言ってみれば、星占いみたいなもの)、そのすべてを目黒不動ひとつでお参りできるのも嬉しい点です。

目黒不動は広いので、目当ての仏像がどこにあるか確認してから歩こう

●干支に対応する守り本尊は、目黒不動のここにあります。

●次のページは、目黒不動の境内に点在する石仏のお話です。
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