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お江戸深川で、日本一特殊な閻魔様に会おう(2ページ目)

1月16日は、今年はじめての閻魔様のご縁日。この日は地獄の釜も開くとされ、日本各地の閻魔像のある寺で、ご開帳や法要などが行われます。中でもお勧めは、東京の深川にある巨大なハイテク閻魔様です。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


日本唯一の特殊な閻魔様は
江戸の深川にあり

仏様に対して「特殊」などというのは失礼じゃないの、とお思いでしょうが、これは実は、その閻魔像のある法乗院(東京都江東区 通称、深川閻魔堂)の公式ホームページに書いてあるフレーズです。何がそう特殊かというと、まず、この派手な色彩。実はわたしは閻魔様マニアで、東京や京都の閻魔像がある寺を訪ね歩いていますが、これだけど派手な閻魔様は、確かに他にはいらっしゃいません。
閻魔様も派手だが、お堂の装飾にもたまげる

閻魔様を祀るお堂もかなり特殊です。閻魔様の周囲には、たくさんの他の仏様や美しい花の絵が描かれ、閻魔様は地獄の番人だというのに、なぜか、極楽浄土に来たような気分になります。わたしは、相当あちこちの寺や神社に行っていますが、ここまで華やかなお参り空間も、あまり他には知りません。

お賽銭を入れると
ありがたい説法が流れ出す

この閻魔像のもう一つのキャッチフレーズは、「日本一のハイテク閻魔様」です。なぜハイテクか? それは、お賽銭を入れると、自動的に、説法が流れ出すからです。
お賽銭を入れる場所は、目的別に選ぼう

このように、お願いごと別に入れる場所が分かれていて、お賽銭(額の多寡は問いません)を投げ入れた瞬間、ただでさえ派手なお堂に、さらなる光が飛び交います。そして、腹の底に沁みるようなお声で、閻魔様が説法を述べられます。派手な姿のわりには、お話の内容はわりと常識的な感じで、「多くのことを望む前に、まず、自分に与えられたよいものに気づきなさい」というようなことを言われることが多いです。

それは確かに言えています。たいていの人は、より多くのことを望み、それがかなえられないから、自分は不幸だと感じるもの。神や仏にお願いごとをする前に、まず、現在の自分が恵まれている点について考えてみよ、ということなんでしょうね。

●深川閻魔堂のホームページはこちらです
毎年1月16日と7月16日の午後3時より、やぶ入り厄除け「閻魔天大護摩供」が執り行われます。
●場所はこちら

閻魔様はお地蔵さんの
化身だという意外な事実

仏教界における閻魔様とはどういう方かについて、さらに深く考察してみると、驚くような事実に突き当たります。実は、閻魔様は、優しいことで有名な、お地蔵さんと同じものだというのです。
おゑんまさまのご本体はお地蔵さまと書かれています

法乗院で見かけた説明版にもこのように書いてあるし、ど派手な閻魔像の手の上にも、よく見ると、黄金の地蔵菩薩像が乗っています。地獄行きを決める裁判官のような閻魔様が、自愛に満ちた地蔵菩薩の裏キャラなんて、あまりにも意外すぎる。なぜそうなのかは、次のページで詳しくお話します。

●次のページは閻魔様とお地蔵さんの謎に迫ります。
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