閻魔様は
人間界で最初に死者となった人

東京、深川の法乗院の本堂の壁画。閻魔様の審判により、地獄に落ちる人々
「うそをつくと、閻魔様に舌を抜かれる」
このごろの子供はどうかわかりませんが、そこそこ以上の年齢の方ならば、昔、そんなことを親に言われて震え上がった記憶が、一度や二度はあるはずです。しかして、その閻魔様なる者の実態は?

仏様の多くがそうであるように、閻魔様も、もともとはインドのヒンズー教など、土着宗教の中の神様の一人でした。太古の昔は、人も神様も罪穢れが少なかったため、永遠の命を保っていたのですが、その後、人はいろいろと悪さをするようになったため、寿命に限りができました。その際、最初に死んだのが、閻魔様のルーツとされる人物だったのです。そのため、この人物は死者の国の王となりました。

その後、仏教に取り込まれ、伝来の過程で中国の道教などの影響も受け、亡くなった人を裁いて、地獄行きか極楽行きかを決める裁判官のような役割を持つようになりました。

1月16日は
閻魔様に会う日

東京千住の勝専寺の閻魔様。1月と7月の15,16日には開帳され、盛大な縁日が開催される
仏教の仏様には、それぞれに「縁日」というものがあります。今では、縁日というと、寺や神社の境内に露店が並ぶ様子を想像しますが、それは「縁日」の日にお参りに来る人を狙って店を出したことが始まりです。

縁日とは、もともと、特定の仏様や神様と特別なご縁を結ぶ日、という意味です。観音様なら毎月18日、お不動さんなら毎月28日。この日にその仏様にお参りすると、よりよいご縁がいただけてご利益も倍増というわけです。

閻魔様の縁日は毎月16日。中でも1月16日の初閻魔と、8月のお盆の時期(東京では7月)には、普段は非公開の閻魔像を開帳したり、特別なご祈祷が行われたりする寺もあります。この日は、地獄の釜も開くと言われる「薮入り」です。薮入りという言葉は落語でも有名で、この日だけは、奉公人もお暇をもらって実家に帰れるということ。なるほど、地獄の釜も開いて閻魔様もお休みだから、奉公人もお休み、ということなんですね。

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