「春を待つ 事のはじめや 酉の市」
花園神社の酉の市の屋台。11月も半ばを過ぎると、だんだん熱燗が恋しくなってくる |
わたしも東京に住んで長いので、なんらかの形で、毎年どこかの酉の市に出かけています。
昔は確かに、三の酉の夜ともなると、コートなしでは外を歩けないくらい寒かったものですが、ここ何年かは、そう冷え込まず、冬の到来という感じがしなくなりました。地球温暖化の影響をひしひしと感じる今日この頃でございます。
たくさんの熊手を見ると、今年もそろそろ終わりに近づいたかなと感じます |
前のページにも書いたように、酉の市の起源には、神道由来のものと仏教由来のものの二つの説があるのですが、歴史的に見れば、酉の市は、「歳の市」から枝分かれしたものだそうです。歳の市とは、江戸の町の神社仏閣の境内で、12月の半ばごろから、正月用品や祝儀物を売る市のこと。その中で今も残るのが、浅草寺の羽子板市や、世田谷のボロ市です。
ボロ市では、何でも売っている
世田谷のボロ市は、400年以上続く、「歳の市」の代表例 |
これは神社仏閣の境内ではなく、小田原城主北条氏政がこの地に楽市を開いたのが始まりで、世田谷を代表する伝統行事として、400年以上の歴史を持っています。当時は、周辺で作られる農作物や古着などが売られていたそうですが、今でも、フリーマーケット感覚の古着も売られており、文字通りの「ボロ市」だな~、と妙に感心した記憶が蘇ります。
●世田谷ボロ市に関する情報は、こちらをごらんください。
薬研堀のお不動さんでは、ホンモノの歳の市が楽しめる |
●薬研堀不動院の場所はこちらです。歳の市は、12月の28日前後。
●すっかり話がそれてしまいましたが、ともかく、酉の市の起源は「歳の市」にありということで、次のページで酉の市の熊手とお勧めの神社をご紹介しましょう。