寺・神社/その他の関東の寺・神社

小江戸川越探検その2 ご利益散歩編(2ページ目)

前編の「お笑い羅漢編」に引き続き、川越探検を続けます。健康によい、あらゆる願いが叶う、目に効く、などのご利益スポットをめぐり、川越名物の駄菓子屋や古い建物なども探訪します。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


「時の鐘」は川越のシンボル

人力車
時の鐘は、川越タウンのシンボルです
時の鐘は、蔵造りの町一番街で、ひときわ目立つやぐらのような建物です。初めてこれを見た時は、これほど高い木造の塔が、いきなり町中にそびえていることに、びっくりしたものです。

江戸時代は、もちろん、庶民は時計など持っていなかったので、幕府は江戸市中に鐘を鳴らして時を告げていました。これをわが町でもやろうじゃないかということで、川越藩主の酒井忠勝が、時の鐘を建てたのだそうです。現在のものは、明治に再建されたものですが、それでも、威風堂々の名建築ですね。

この酒井さんは律儀な性格だったらしく、江戸城に登城する時間がいつも正確だったことから、彼自身が時計変わりにされていた、という説もあるそうです。わたしはどちらかと言うと酒井さん系ですが、友人、知人には、どういうわけか、遅刻魔が多い。自分が時間に厳密な人は、ルーズなやつにムカついてしかたないので、とにかく町の真ん中に鐘を置いて、遅刻するんじゃないぞと警告を発していたんでしょうな。わかる、わかる。


あれ、塔の奥にも何かある!

時の鐘神社
塔の下をくぐった奥に神社があります
時の鐘は、今でも毎日4回、6時、12時、15時、18時に鳴らされていますが、一般人は、登ることはできません。しかし、塔の足元をくぐって奥にある神社へは、誰でも行くことができます。川越は前にも何度か来たことがありましたが、この奥に、こんな不思議な神社があるとは知らず、これまたびっくり。

この神社がなぜ不思議か。まずそのネーミングです。「薬師神社」というのですが、薬師如来は仏様ですから、それに、「神社」とつくのは、ちょっとヘン。もともとここは寺だったのですが、明治初頭の神仏分離令などのごたごたの際に、薬師神社になっちゃったみたいですね。ま、神仏混交が基本だった日本人は、もともと神と仏、寺と神社の違いには、さほど神経質ではなかったので、こんなこともアリかと…。


眼病に著しい効果あり

絵馬
眼病に著しい効果があるので、絵馬もこんな感じ
境内にある説明版を読むと、こちらの薬師如来は、「五穀豊穣、家運隆昌、病気平癒にご利益があり、特に眼病に著しい効果がある」とのことです。「ご利益」ではなく、「著しい効果」ってところがすごいですね。わたしみたいな目の疎い者は、とにかく拝まなくては。

向かって右奥には、稲荷社もあるのですが、そちらは「出世、開運、合格に著しいご利益がある」ということ。つまり、人間のほとんどのお願いごとに、著しく効くってことです。わかりにくい場所にある小さな神社だけど、お見逃しなく!

<DATA>
■時の鐘
・所在地:・川越市幸町15-2
・交通・アクセス:西武線本川越駅より徒歩15分
・地図:Yahoo!地図情報

次のページは、実は養寿院というお寺の門前町であった菓子屋横丁を探検します。
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