京都の人気スポット、大原で宿坊に泊まる(3ページ目)

三千院は往生極楽院が決め手

三千院の山門

大原にはよいお寺が多いのですが、そのほとんどは、浄蓮華院から歩いてすぐです。まずはお隣の三千院から。大原は、もともと、比叡山延暦寺の僧が、声明の修行をするために開いた場所です。声明とは、簡単に言って、ふしをつけて読むお経のことで、これが日本の音楽の源流となっています。三千院は、その中心として栄えたお寺です。

三千院では、庭園各所にあるかわいい石仏も見所です

広くて見所の多い三千院の中でも、特筆すべきは往生極楽院というお堂です。こちらには、たいへん美しい阿弥陀三尊像があります。大原に行くのはこの像を見るためと言っても過言ではないほど、わたしはこの像が好きです。また、お堂自体も、小さいけれど計算の行き届いたもので、阿弥陀様との一体感を感じ、極楽往生をバーチャル体験できます。

京都は平安の都と言われますが、実は、中心部は応仁の乱で焼けてしまい、平安時代の建物はほとんど残っていません。こちらは、平安時代の仏像とお堂が建てられたときのままセットで残っているという意味でも貴重です。

＜DATA＞
■三千院
・所在地：京都府京都市左京区大原来迎院町540
・交通・ＪＲ「京都駅」から17、18系統のバス「大原」下車、徒歩10分
・地図：Yahoo!地図情報
・TEL：075-744-2531
・HP：三千院

来迎院は声明修行の場

来迎院は、三千院よりさらに山奥の静かなところ

来迎院は、中国から声明を伝えた僧が修行の場として建てた寺です。浄蓮華院から少し山を登ったところにあり、観光化された三千院とはまた違った趣きがある、わたしのお勧めの寺です。声明がどんなものであるかについては、また別の機会にじっくりご説明いたしますが、ともかくこれが日本の音楽の源流で、演歌にまで影響が及んでいるということです。

こちらの寺では、毎週日曜日の午後（不定期に休みもありますので要確認）に、ご住職が声明を上げられ、説明してくださいます。またこのごろでは、ヒーリングミュージックのひとつとしてCDなども売られていますので、機会があったら聴いてみてください。

こちらの本堂には、薬師・弥陀・釈迦の三如来坐像があります。これも藤原時代の傑作で、とても素晴らしいので、ぜひ拝観を。

＜DATA＞
■来迎院
・所在地：京都府京都市左京区大原来迎院町537
・交通・アクセス：JR京都駅→京都バス大原行きで62分、終点下車、徒歩15分。
・地図：Yahoo!地図情報
・TEL：075-744-2161

宝泉院、実光院で庭園鑑賞

実光院の庭園。冬枯れの風情がいいですね

三千院の向かい側あたりに宝泉院と実光院という小さな寺があり、どちらも庭園の美しさで有名です。二つの寺は、座ってゆっくり庭園鑑賞をしてもらいたいという発想で、拝観料に、抹茶とお菓子も含まれています。と言っても、紅葉のシーズンなどは大混雑で、おちおち庭を眺めていられません。その点冬に行けば、人が少なく、風情は最高です。ただしかなり寒いので、わたしは、ひざ掛け、使い捨てカイロなどを持参するようにしています。

額縁庭園とも呼ばれる宝泉院の庭園。柱が額縁の役目をして、風景が絵のように見えます

ここだけでなく、宿坊に泊まって寺めぐりをする場合、冬場の防寒対策は、ひじょうに大切です。お参りに行って風邪をひいたのでは、意味ありませんからね。と人には言いますが、実際わたしも、よく大風邪をひいて、帰ってきてから寝込んだりするのですが。

＜DATA＞
■実光院
・所在地：京都府京都市左京区大原勝林院町
・交通・アクセス：JR京都駅→京都バス大原行きで62分、終点下車、徒歩15分。
・地図：Yahoo!地図情報
・TEL：075-744-2537

＜DATA＞
■宝泉院
・所在地：京都府京都市左京区大原勝林院町
・交通・アクセス：JR京都駅→京都バス大原行きで62分、終点下車、徒歩15分。
・地図：Yahoo!地図情報
・TEL：075-744-2409
・HP：宝泉院　

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