寺・神社/宿坊に泊まる

京都で宿坊(お寺の宿泊施設)に泊まる(2ページ目)

今度京都に行くときは、ぜひ宿坊を試してみてください。お寺の宿泊施設ではありますが、特別な修行をするわけではなく、普通の宿として使えますし、興味深い仏教カルチャーも体験できます。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

ステップ1 どんなイベントに参加したいか決めよう

長楽寺
長楽寺の宿坊「遊行庵」では、個人用の写経スペースがあり、自分のペースで写経を体験できます
たとえば坐禅をしてみたいと思った場合、禅宗の寺を選ばなくてはいけません。坐禅は、主に禅宗の僧侶が修行のために行うものだからです。寺とひとくちに言っても、そこで行われる行事や体験できるものは、宗派でまったく違います。そのへんの情報は、拙著をお読みいただくか、もしくは宿坊のある寺のホームページなどで確認してみてください。



ステップ2 建物の形態をチェックしよう

鹿王院
嵯峨野の鹿王院には女性専用の宿坊があります。古い建物内に泊まり、美しい庭を眺められます
宿坊の建物は、大きく分けて二種類。お寺のお堂、またはその延長線上にある木造の古い建物か、敷地内にある鉄筋の別の建物かです。前者は風情はあるのですが、冬は正直言ってかなり冷え込むし、隣の部屋とふすま一枚ということもあるので、ある程度、心の準備をしてお出かけください。民宿などと違って、「寒いから何とかしてくれ」と言っても、さすがに通用しませんからね。また、そういう形態の宿坊の場合は、テレビはたいていありませんので、備え付けの仏教関係の本などを読んで、静かに夜を過ごすことになります。

智積院
智積院の智積院会館は、鉄筋の一見そっけない建物ですが、内部はいたって快適です。
後者の場合は、たいていは「○○会館」という名前がついていて、居住性は普通の旅館と変わりません。中にはテレビや金庫も完備した使い勝手のよい宿坊もあります。本来、宿坊に求められるものとはちょっと違うかも知れませんが、初心者の方は、こちらからチャレンジしていただくとよいでしょう。

ステップ3 食事の内容を確認しよう

智積院の食事
智積院の夕食。精進料理ではありませんが、なかなか豪華で美味しいです
京都以外の宿坊は、たいていは二食付きです。なぜなら、外に出ても食事をするところがない場合が多いからです。その点京都は、すぐに繁華街にも出られるので、夕食はなし、もしくはオプションというケースがほとんどです。まれにですが、門限がかなり早い宿坊もあり、その際は、夕食はどこかで買って持ち込むこともあります。

朝食もないところがありますが、多くの場合は朝食がつき、伝統的な精進料理を食べさせてくれます。また、オプションの夕食も、大きな寺だと、一般用の食事どころも併設されていて、値段のわりにはなかなかよい料理を出してくれることがあるので要チェックです。

ステップ4 持ち物や諸条件を聞いておこう

泊まってみたい宿坊を決めたら、電話なりメールなりで、普通に予約を入れます。その際、洗面具やタオルを持参すべきかどうか、子供を連れて行っていいかどうか、チェックインは何時までか、門限はあるか、朝の勤行はどんなものか、などを聞いておきましょう。

宿坊では、やはり、普通の宿ほど自由はききませんので、最低限のルールを守ることが大切です。と言っても、特別な修行で泊まる以外は、さほど難しいことはなく、常識の範囲内です。

次のページで、わたしのお勧め宿坊を体験してみてください。
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