素晴らしい内湯風情!玉城乃湯
しかし、浴舎の風情としてはどうでしょうか?もちろん、歴史的建造物の価値には及ばないかもしれませんし、素材や建築技法の面でも現代では再現不可能なこともあるに違いありません。しかし、浴舎に注入された人々の気持ちに差異はあるのでしょうか?私には、人々が温泉を思う気持ちには、何の違いもないと思えてなりません。
古いから価値があるとか、反対に新しいからイイと単純に考えるのではなく、法師乃湯が新しかった時の事や、玉城乃湯が古くなった時のことに思いを馳せる。そうした時間旅行を楽しむのも温泉だと私は思うのです。
さらに言えば、内湯でも雪見が楽しめると私は思います。法師温泉独特の円形アーチ状の窓に付いた雪に、冬の秘湯を感じることも出来ますし、時折吹き付ける吹雪に、深山の秘湯を感じることも出来ます。名浴場とは入浴者の感受性を豊かにし、温泉を何倍も深く楽しく味あわせてくれるのです。