名古屋の観光・旅行/名古屋 自腹メシ

名古屋自腹メシ 第5回~「杉むら」(2ページ目)

自腹メシシリーズ第5弾は「貝と地酒の店 杉むら」。旬の貝は燻製や刺し身、干物、炙りなどで変化に富んだ滋味・珍味を食べ比べできる。明るい女将さんの名古屋弁トークも杯を進ませる酒の肴(!?)。

大竹 敏之

執筆者:大竹 敏之

名古屋ガイド

つやつやの貝の刺し身
ぬかみそ煮は100年糠床で深~いコク

貝の刺し身
貝の刺し身は鳥貝(手前)とほっき貝
続いては貝の刺し身。黒板を見るとこの日のラインナップは平木貝、みる貝、ほっき貝、西貝、つぶ貝、鳥貝、赤貝。この時期のオススメを尋ねると、「西貝がおいしいけど1人だとちょっと大きいわね。ほっき鳥貝で1人前盛りましょうか」。もちろん、この女将さんの提案に従います。

貝がらの上に盛られて出てきた2種類の刺し身はいずれもつやつやのピカピカ。鳥貝は水気が多くて柔らかいのですがヒモの部分はコリコリ。貝特有の臭みも貝好きにはたまりません。一方のほっき貝はぷりぷりして歯応えもあり、あっさりしていますが噛むと濃厚な甘みが出てきます。それぞれ食感と風味が異なり、貝の魅力の幅広さを実感させてくれます。

日本酒
悦凱陣 赤磐雄町
貝の刺し身に合わせての日本酒は、香川の人気銘柄「悦凱陣 赤磐雄町(よろこびがいじん あかいわおまち)」。赤磐雄町とは米の銘柄で、幻の酒造米とも呼ばれ、近年は各地の蔵元から引っ張りだことなっているそうです。濃厚な米の味わいがありながら後味にキレがあり。独特の香りを持つ貝と合わせても存在感があり、相性のいい組み合わせでした。


鯖ぬかみそ煮
鯖のぬかみそ煮は女将さんの故郷・小倉の郷土料理
鯖のぬかみそ煮は女将さんイチオシの一品。故郷の九州・小倉から100年物の床でつけた糠味噌をを送ってもらい、作っているとか。味噌は名古屋の赤味噌によく似た茶褐色の濃い色合い。見た目はかなり辛そうですが、これが実にまろやか。この丸みと深みは100年物の糠床ならでは、なんでしょうか。ほどよく煮詰まってる具合が、いっそうコクを出しています。う~ん、この味噌だけで酒が飲めそうです。

最後は定番のシシャモの焼きおにぎりでシメたかったのですが,残念ながら品切れ。細長いおにぎりにシシャモが丸ごと1匹入っているこの焼きおにぎりは、じっくり時間をかけて炙るため、表面はカリッ、中はふわり、そして香ばしさの中からシシャモが出てくるという名物なのですが、お楽しみは次回に取っておくことにしましょう。

店を出る際には、女将さんがビルの外まで見送ってくれます。「また来てね~」と手を振る姿に、つい頬がゆるみ、温かい気分にさせられるのでした。


【この日のオーダーと料金】
領収書
自腹の証明、この日の領収書
・瓶ビール 1本
・日本酒 1杯
・泡盛(5年古酒) 1杯
・燻製盛り合わせ
・貝刺し身盛り合わせ
・鯖のぬかみそ煮
‥‥‥‥計 6040円


魚介料理・地酒の店 杉むら
・住所:名古屋市中区栄4-17-27エンパイアビル2階
・アクセス:地下鉄栄駅より徒歩5分
・TEL:052・241・2415
・営業時間:18時~23時
・定休日:日・祝日
・ Yahoo地図情報


■シリーズ「名古屋自腹メシ」バックナンバー
□ 第1回 「JIROMAL」(※閉店)
□ 第2回 お番菜と酒 「おっこん」 (栄)
□ 第3回 うどん家 「匠庵」 (錦)
□ 第4回 焼酎居酒屋「モモガッパ」 (錦)
□ 第6回 「どての品川」 (堀田)
□ 第7回 「島正」 (伏見) 
□ 第8回 雑炊 「いちい」 (錦)


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