エコ大国が誇る脅威の自然「シングヴェトリル」&「スルツエイ」(アイスランド)
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氷河も見えるスカフタフェトル国立公園のヨークルサルロン湖。ここは世界遺産登録地ではないが、このようなダイナミックな景観があちらこちらに点在するのがアイスランドだ。 |
まさにいまがチャンスという意味でオススメしたいのがアイスランド! 2008年の世界金融危機で財政破綻の危機に陥ったアイスランドの通貨アイスランド・クローナは、いまや2007年の半値以下になってしまった。円高の日本人からすればすべてのものが半額セール!! アイスランド政府もこの機会を利用しての観光を呼び掛けているので、ぜひ。
さて、そのアイスランド。ホットスポットと呼ばれるマグマだまりの上にある島国で、大地のあちらこちらが切り裂かれ、その一部からはいまもマグマが噴き出している。北極圏にかかるほど緯度が高いものの暖流のおかげで暖かく、オーロラが日常的に見られるもっとも暖かい地域としても知られている。
この国には火力発電所も原子力発電所も存在しないのだが、豊富な水とこの地熱を利用して、ほとんどの電力を水力発電と地熱発電でまかなっている。地熱や発電所の熱水をそのまま家庭にひいて暖房に利用したり、燃料電池や電気自動車を導入するなど、クリーン・エネルギーでも先進的な試みを続けている。
エコツーリズムでも有名で、驚異的な自然を楽しむ数々のツアーが用意されている。
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シングヴェトリル国立公園のギャオを歩く。 |
大地の裂け目をギャオというが、ギャオで有名なのが世界遺産「シングヴェトリル国立公園」だ。大地が大きく分断するリフトバレーに無数のギャオが口を開けており、山あり穴ありの奇怪な景観を生み出している。また、930年にこの地でアルシングと呼ばれる全島会議が行われ、これが近代議会のルーツとも言われている。
2008年には、1963年に海底火山が噴火してできたばかりの島「スルツエイ」が世界遺産に登録された。炎の剣で戦いを挑む北欧の神スルトの名をとったこの島は当初激しく爆発を繰り返したが、やがて落ち着くと植物や動物たちが集まるようになり、いまでは動植物の楽園となっている。
いずれにしてもここにしかないまさに秘境。アイスランドは全島がこのような自然に恵まれており、見所はこれにとどまらない。
【旅行情報】
アイスランドの玄関口は首都レイキャビック。シングヴェトリルはレイキャビックから40kmほどで、バスなどで行ける。スルツエイは本島から10kmほど離れたウエストマン諸島最南端の島で、本島やヘイマエイ島から特別のボートで接近するほかなく、観光目的での上陸はできない。格安航空券は10万円前後から、ツアーは8日間30万円前後から。
【世界遺産基本データ1】
国名:アイスランド共和国
登録名称:シングヴェトリル国立公園 Tingvellir National Park
登録年と登録基準:2004、文化遺産(iii)(vi)
【世界遺産基本データ2】
国名:アイスランド共和国
登録名称:スルツエイ Surtsey
登録年と登録基準:2008、自然遺産(ix)
【関連サイト】
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アイスランド大使館(公式サイト。日本語)
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アイスランド航空(公式サイト。日本語)
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アイスランド観光局(公式サイト。英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語etc.)
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アイスランド観光文化研究所(日本語)
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Surtsey(ユネスコの公式サイト。英語)
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Tingvellir National Park(ユネスコの公式サイト。英語)