秘境と言ってもよい世界遺産や手を出しづらい高級リゾートもあるけれど、燃油サーチャージが下がり、円高極まるいまこそチャンス! それぞれの世界遺産にリンクを用意したので、気になる世界遺産リゾートはリンク先で詳細をチェックしよう!!
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・オーロラと白夜の聖地「ラポニアン・エリア」……P.1
・エコ大国が誇る脅威の自然「シングヴェトリル」と「スルツエイ」……P.2
・世界遺産化で再ブレイク必至! 「ニューカレドニア」……P.3
・世界一美しい海岸「アマルフィ海岸」……P.4
・登録基準最多クリアのキング・オブ・世界遺産「タスマニア」……P.5
生涯一度は見たいオーロラ&白夜の聖地「ラポニアン・エリア」(スウェーデン)
太陽から注ぐ荷電粒子と地球の大気粒子が衝突して発光するオーロラ。色や形は刻一刻と変化する。 |
オーロラを見るならぜひ、行きたい場所がある。サンタクロースが暮らすと言われる場所で、下記のようなロマンティックな伝説が残るラップランドだ。
その昔、ラップランドに黒髪の美しいマレッタという少女がいた。そんなマレッタに恋したふたりの若者オーラとアスラックは、意を決してマレッタに求婚をする。
マレッタには恋する男がいたが、父サンメリはその男が貧しいからと許さない。それどころか、サンメリはオーラとアスラックの申し出を受けてこう答えてしまう。「より美しい布を持ってきた者に娘を与えよう」
マレッタはオーラとアスラックと話をしてみるが、自分の気持ちを語るばかりで話を聞いてくれない。マレッタは魔法の鳥クーケリに悩みを打ち明ける。
一方、オーラとアスラックは市場で美しい布を手に入れてサンメリに届けようとするが、遅れそうになると一方がサーメ人の守り神セイタに頼んで布を白樺の皮に変えてしまう。こんな争いを三度繰り返し、ふたりはまたセイタの元を訪れる。ここに現れたのがクーケリ。クーケリは歌う。「少女の言葉を聞いて。少女は布なんてほしくない。少女がほしいのはただ愛ひとつ」。マレッタの想いに打たれたセイタはふたりを空の彼方に飛ばしてしまう。
その後マレッタは愛する男性を見つけ、幸せに暮らしたという。美しい布は時々星に引っかかり、ふたりを祝福するように、オーロラとなって夜空を彩るのだという。
参考文献:レーナ・ラウラヤイネン著、荒牧和子訳『魔術師のたいこ』春風社
ラップランドとは、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ロシアにまたがる、主にサーメ人(ラップ人)が住む地域。氷河や湿地、タイガなど手つかずの自然が残るこの土地で、5,000年以上前からサーメ人たちがトナカイの放牧生活を行っている。このうちのスウェーデンの一部が、独自の文化と特異な生態系、奇跡的な景観で評価され、世界に25件しかない複合遺産として世界遺産に登録されている。
旅の基点となるのがキルナ。ここには世界的に有名なアイスホテルがある。冬だけ営業するこのホテル、部屋からベッドなどの家具、バーではカウンターや椅子、グラスまで氷でできている。こんなホテルに泊まってオーロラを見上げたら、さぞかしロマンティックなことだろう。
アイスランドのふたつの秘境は次のページへ。