ドミノ・システムと近代建築の五原則

国立西洋美術館本館3
国立西洋美術館本館正面へ通じる通路より。

ル・コルビュジエが提唱したドミノ・システムは画期的なアイデアだった。鉄筋コンクリートでできた四隅の柱を鉄筋コンクリートのスラブ(床)でつなぎ、このドミノを前後左右はもちろん上にも自由に広げていけば、いくらでも空間を創り出すことができた。

ドミノ内も自由に仕切ることができるので、柱や壁の制約から解放された自由な平面が利用できた。さらに、柱に十分な強度があるため壁の必要性がなくなり、壁には大きな窓を設置して明るい空間を実現。ドミノを重ねていけば高層ビルとなるのだが、屋上も1階と同じ広さの空間ができるために、屋上庭園を提唱。さらに1階は柱だけでもよいため、自由に人や乗り物が行き来できるピロティを設置した。これに自由なファサード(建物正面)を加えて近代建築の五原則と呼ぶ。

■近代建築の五原則
  • 自由な平面
  • 水平連続窓
  • 屋上庭園
  • ピロティ
  • 自由なファサード


  • コルビュジエはさらに都市部における高層ビルを奨励し、人を高層ビルに集中させる代わりに緑を育てる「輝く都市」計画なども提唱した。

    街で見かけるビルやアパート、マンションは、ほとんどル・コルビュジエの提唱した通りのものである。鉄筋コンクリートとル・コルビュジエの登場が、現在の都市景観を造ったともいえるだろう。

    世界遺産候補「ル・コルビュジエの建築と都市計画」22作品全リストは次のページへ。