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欲しい愛はただ一つ… 『ある愛の詩』

若くまっすぐな男女の「ある愛」のかたちを描いた70年の純恋愛映画『ある愛の詩』から、あの有名なセリフをご紹介します。

執筆者:尾崎 佳加


耐え忍ぶ愛に、奪う愛。与える愛に、求める愛……。様々なかたちにかわるこの「愛」という感情に、私たち人間はずっと翻弄され続けてきました。いったい「愛」とはなんなのか―。こう問いかけると幾千もの答えが返ってきそうですが、感じたままの自分の「愛」をすべてと信じ、何にもとらわれず貫くことができるなら、それほど強く美しい感情はありません。

Love Story (70)
『ある愛の詩』。
70年の名作『ある愛の詩』は、まさにそう思わせてくれるほど強い愛の形を描いた映画でした。物語は、ハーバード大学へ通う名家の息子オリバー(ライアン・オニール)と奨学金で大学へ通う菓子屋の娘ジェニー(アリ・マッグロー)の恋愛に焦点を当てています。身分違いの恋に周囲の反対を受けながらも、互いの個性を愛し、まっすぐな愛を貫いて2人はついに結婚します。幸せもつかの間、2人を待ち受けていた運命は、ジェニーの死によって訪れる永遠の別れでした。でも、ともに暮らした時間はわずかでも、他人の何倍も愛に正直に生きた2人は、誰よりも充実した人生を送ったといえるかもしれません。

Love means…. 愛とは…

親の反対を押し切って結婚生活をはじめた当初、オリバーは当たり前ながら両親からの学費の援助を打ち切られてしまいます。夫婦共働きで生計を立てていくのがやっとという生活に、男として自分の不甲斐無さにいらだち、些細なことでジェニーを傷つけてしまうオリバー。ジェニーが家を飛び出した後、すぐに過ちに気づきますが、街のどこを探してもジェニーを見つけることができません。冬の寒空の下、どこかで凍えているだろうジェニーを思い、力の限りをつくして家に帰りついたオリバー。そこには、玄関の前で小さく震えているジェニーが彼の帰りを待っていました。

自分のせいで愛する人に不憫な思いをさせてしまったことを深く反省したオリバーは、I'm sorry.(すまなかった)とジェニーに一言。オリバーのこの言葉に、ジェニーは涙を流しながら答えました。

Love means never having to say you're sorry.
愛とは決して後悔しないことよ

30年を経た今もなお、名言として引用されるこのフレーズ。潔癖なまでに飾らない2人の愛の定義は、報氾濫社会で生きる私達の心を、初心へと導いてくれます。

様々な事情に翻弄される「愛」のあり方。オリバーとジェニーのように、他の犠牲もいとわないほどの信念をもって愛し合うことの難しさを知ればこそ、心に強く響く作品です。
(取材協力:伊吹知子)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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