Too much smiling gets a girl in trouble. あんまりステキな笑顔は女の子のトラブルの元だよ。 『ル・ディヴォース~パリに恋して~』。 |
フランス語では全てがよりセクシーになる
甘いタグライン(映画のキャッチコピー)でとある姉妹の恋愛をコミカルに描く『ル・ディヴォース~パリに恋して~』。フランス・パリを舞台に、突然夫に離婚を迫られる姉ロクサーヌ(ナオミ・ワッツ)と、危険な恋とは知りながらプレイボーイの男性に惹かれる妹イザベル(ケイト・ハドソン)。それぞれに不安と期待を抱えた姉妹の恋物語をテンポ良くオシャレに綴る傑作ラブコメディーです。
様々な解釈ができる便利なフレーズ anyway
Roxeanne: Didn't anyone ever tell younot to accept expensive gifts from men?
ロクサーヌ:男性から高価な物をもらって
はいけないと教わらなかった?
ある日、イザベルが真っ赤なケリーバッグを持っているのを知ったロクサーヌ。ケリーは高級ブランド、エルメスの最も高価なバッグとして知られていますが、ロクサーヌが心配しているのは高価なバッグをもらったことばかりではありません。バッグの送り主、エドガルはプレイボーイで有名な男。好きになった女性に必ずケリーバッグを贈るという癖があるのです。
Roxeanne: Anyway, you should give it back.
ロクサーヌ:とにかく返していらっしゃい。
Isabel: Anyway, he wouldn't take it back.
And anyway, why shouldn't one accept an
expensive gift from a man if he wants to give it?
イザベル:どうせ返しても彼は受け取らないわ。
それにだいたい、くれるって言う物をどうして
受け取っちゃいけないの?
ロクサーヌの心配をよそに、恋にまっしぐらのイザベルは聞く耳を持ちません。ロクサーヌはさらに具体的な言葉で妹の目を覚まさせようと努めます。
Roxeanne: Because it puts you in the position
of having to do what he wants.
ロクサーヌ:それはね、高価な物を受け取れ
ば男はそれ相当の見返りを求めるものなの。
ところが、無邪気なイザベルはくったくもなくこう言い放つのでした。
Isabel: l'd do it anyway.
イザベル:どのみち私は彼のものよ
とにかく、どうせ、だいたい、どのみち
この短いシーンで何度も登場するanyway。同じ言葉を多用しているのに、それぞれが微妙に異なるニュアンスを持ち、脚本家のユーモアとセンスが効いたキレの良い会話に仕上がっています。感情や場面に対応する表現が豊富な日本語に比べ、英語は一つの言葉で多くの意味を表現することが少なくありません。日本人よりも英語のネイティブスピーカーが感情表現豊かなのは、少なからずこのような背景があると言えますね。
【作品データ】
邦題:ル・ディヴォース~パリに恋して~(2003)
原題:Le Divorce (2003)
ジャンル:ロマンス / コメディー
発売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
監督:James Ivory ジェームズ・アイヴォリー
キャスト:Kate Hudson ケイト・ハドソン(イザベル)
Naomi Watts ナオミ・ワッツ(ロクサーヌ)他
原作:Diane Johnson ダイアン・ジョンソン
脚本:Ruth Prawer Jhabvala ルース・プラヴァー・ジャブヴァーラ
URL:日本公式サイト / 米国オフィシャルサイト