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日本一美しい庭園、足立美術館へ/島根

アメリカの庭園専門誌の日本庭園ランキングで堂々13年連続日本一の評価を受けている美術館が島根県にあるのをご存知でしょうか。5万坪の広大な日本庭園と数々の近代日本画を鑑賞することができる足立美術館の魅力やアクセス方法などをご紹介します。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

「日本で一番美しい」と評価を受けた日本庭園を見に行きませんか?

足立美術館(3)

広大な敷地の中に6つの美しい日本庭園が広がる足立美術館。その素晴らしさを体感しようと国内外から日々たくさんの方が訪れています(2005年11月撮影)

歴史に名を遺した武将や文化人たちがこぞって愛した日本庭園。その文化は現代に至るまで脈々と受け継がれ、各地に造られた日本庭園は観光名所となって訪れた人々の心をゆったりと癒してくれます。

そんな日本庭園の魅力に惹き込まれた国内外の方たちから、高い評価を受けている名所の一つが島根県にある足立(あだち)美術館です。

今回は広大でかつ美しい日本庭園と数々の貴重な近代日本画を鑑賞することができる足立美術館をご紹介します。

 

アメリカの庭園専門誌が「日本一」と14年連続認定!

足立美術館(1)

山陰を代表する観光名所として、多くの方が立ち寄る足立美術館(2016年2月撮影)

足立美術館Yahoo! 地図情報)は、島根県安来(やすぎ)市にある美術館です。

開館は1970年(昭和45年)。貴重な日本画のコレクションが豊富に揃うことと、敷地内にある広大な日本庭園の美しさが話題を集め、現在では山陰を代表する観光名所として多くの方が立ち寄る場所になりました。

足立美術館(2)

本館へのアプローチ途中に見える苔庭(2008年3月撮影)

受付からミュージアムショップの横の通路を歩いていくと左側に茶室、右側に苔庭が現れます。そのまま本館の建物に入ると、枯山水庭や白砂青松庭を眺められるスペースに出られます。

足立美術館(4)

足立美術館の庭園は、アメリカの庭園専門誌の日本庭園ランキングで2003年から13年連続日本一に選ばれました(2016年2月撮影)

足立美術館にある日本庭園は全部で6つ。それぞれが個性を主張しあいながら素敵な風景を醸し出しています。

1998年創刊のアメリカの庭園専門誌「Sukiya Living magazine(The Journal of Japanese Gardening)」では、日本、アメリカ、オーストラリアの専門家が毎年数百にも及ぶ日本各地の庭園を視察して「日本庭園ランキング」を決めています。

足立美術館は、この「日本庭園ランキング」で桂離宮や二条城などを抑えて2003年から14年連続日本一の評価を受けました。この評価は庭園だけではなく建物の調和や利用者への対応を含めたものですので、まさに貴重な場所と言えるでしょう。

足立美術館(5)

本館の建物の中からは、大きな窓を額縁代わりにして外にある枯山水庭を眺められます(2005年11月撮影)

枯山水庭や白砂青松庭も、庭をそのまま見せるのではなく、建物の中から大きな窓を額縁代わりにして絵のように見せるなどのアイデアが組み込まれています。写真でもある程度雰囲気は伝わるかと思いますが、ぜひ実際に行って見てその素晴らしさを体感して欲しい風景です。

 

世界有数の横山大観コレクションは必見!

足立美術館(6)

日本画の巨匠、横山大観の名作「白砂青松」をイメージして造られた白砂青松庭。美術館では貴重な横山大観のコレクションを鑑賞できます(2005年11月撮影)

足立美術館が収蔵・展示する美術品で良く知られているのは、日本画の巨匠、横山大観の数々の名画のコレクション。美術館創設者の足立全康氏が情熱をかけて収集したもので、一つの美術館にあるコレクションとしては世界有数と言われています。

その他にも見た人が童心に戻ることが出来る童画のコレクション、北大路魯山人の陶芸などが展示され、本館と地下道でつながる新館で催される企画展示を含めて、様々な芸術の世界を感じることができます。時間をたっぷり取ってゆっくり鑑賞したいですね。

 

季節を変えて何度でも訪れたい

足立美術館(7)

「生の掛軸」からの眺め。建物の向こう側にある白砂青松庭が山水画の掛け軸のように見えますね(2005年11月撮影)

足立美術館の奥にある池庭のそばには「生の掛軸」と呼ばれる場所があります。

ここは床の間の壁がくり抜かれていて、建物の向こうにある白砂青松庭の一部がまるで掛軸の絵のように切り取られて見ることができます。計算しつくされた芸術に脱帽ですね。

足立美術館(8)

庭園の秋を彩るのは紅葉。枯山水庭の向こうに亀鶴の滝が望めます(2005年11月撮影)

自然豊かな場所にある足立美術館では、春のサツキ、ツツジ、目にまぶしいくらいの夏の新緑、彩りを添える秋の紅葉に、水墨画の世界が広がる冬の雪景色と、季節の移り変わりに応じて様々な表情を見せてくれます。

季節を変えて何度でも訪れてみたい場所です。

 

松江や出雲大社とあわせて観光できます

足立美術館のある安来市は島根県の東端にありますが、松江城八重垣神社などがある松江までは車で30分ほどの距離。もう少し足を伸ばせば出雲大社など出雲の観光名所と組み合わせて訪れることができますので、ゆっくり観光するのも良さそうですね。

美しい庭園と日本画の名画を楽しめる足立美術館をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか? どこかに旅したくなった時、日本一の庭園を楽しむことができる足立美術館へぜひお出かけ下さい。

 

足立美術館へのアクセス

足立美術館と安来駅を結ぶシャトルバス

足立美術館と安来駅を結ぶシャトルバス。先着定員制で利用できます。

地図:Yahoo! 地図情報
アクセス:
<飛行機>
・米子鬼太郎空港より空港連絡バス、または米子空港駅よりJR境線で米子駅へ行き、JR山陰線に乗り換えて安来駅下車。安来駅から足立美術館の無料シャトルバスに乗車。
・出雲縁結び空港より空港連絡バスで松江駅へ行き、JR山陰線に乗り換えて安来駅下車。
無料シャトルバスは先着定員制です。美術館発のバスは出発時刻毎の整理券を受付で配布しているので、利用するバスを決めて入館時に整理券を確保すると良いでしょう。


<鉄道>
・山陽新幹線 岡山駅からJR伯備線 特急「やくも」で安来駅下車。
・首都圏方面からは寝台特急「サンライズ出雲」で安来駅に向かうこともできます。

<高速バス>
・品川・浜松町から米子を結ぶ夜行高速バス「キャメル」号(日本交通バス、日ノ丸バスと京浜急行バスの共同運行)で米子駅へ。JR山陰線に乗り換えて安来駅下車。
・東京駅・渋谷から松江・出雲を結ぶ夜行高速バス「スサノオ」号(一畑バスと中国JRバスの共同運行)で松江駅へ。JR山陰線に乗り換えて安来駅下車。

<車>
・中国自動車道 落合ジャンクションから米子自動車道を経て、山陰自動車道 安来インターチェンジへ。安来インターチェンジから案内に従って進むと10分ほどで到着します。

【関連サイト】
「中国(山陽・山陰)の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで中国地方(山陽・山陰)の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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