象印マホービンの90年の歴史を一挙にご紹介!
昭和レトロな逸品から超レアなアイデア商品まで!
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象印マホービンの90年の歴史を一望できる家電製品の実物展示。アイデア商品も多く、こんな商品があったのか…と驚かされます。 |
大阪の魔法瓶が優秀な製品として認知されはじめるのは、1914年(大正3年)の第一次世界大戦がきっかけです。戦争でヨーロッパ産業界は大混乱をきたしますが、主戦場にならなかった日本の産業界は逆に急成長したわけです。市川兄弟商会も世界各国に魔法瓶を輸出しはじめますが、熱帯性で水が腐りやすいアジア諸国に向けたものが多かったので、象の頭に王冠を載せた「エレファントアンドクラウン」を登録商標にしました。
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1920年代の象印のマークです。かなりリアルですが、あまり可愛くありません…。 |
子供たちに人気があって、アジアで神聖視される象のマークは人気商品となって、これが現在の「象印マホービン」の会社名の由来です。面白いのが「魔法瓶メーカーは動物の登録商標」というのが業界のフォーマットになったようで、大阪府門真市には虎をモチーフにしたタイガー魔法瓶、大阪市福島区には孔雀をモチーフにしたピーコック魔法瓶があります。
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一世を風靡した花柄マホービンです。この大ブームのおかげで今でもご年配の方には「マホービンといえば花柄」というイメージをお持ちの方が多いとか…。 |
その後、第2次世界大戦の混乱期を超えて、1961年(昭和36年)に 「象印マホービン株式会社」と改称すると、時代は高度経済成長期に突入します。この頃にナショナル(現在のパナソニック)が魔法瓶に花柄をあしらったものを発表すると、これが主婦層のあいだで空前の大ヒット。「花柄でないと魔法瓶が売れない」という一大ブームを巻き起こして、象印マホービンも負けじと華道の四大流派(池坊、小原、草月、未生)の家元の作品がプリントされた花柄魔法瓶を発表して世間の耳目を集めます。
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くるっとハンドルを回すとにぎり寿司が出来上がる!という「おすしやさん」です。遊び心のあるアイデア商品といえるでしょう。 |
いまとなってみれば「なんで魔法瓶に花柄を?」と不思議に思われるのですが、これは日本古来の「いけばな」の伝統が反映されたものとか。いけばなに通うほど生活に余裕がないけれど、魔法瓶に花がプリントされていれば台所が明るくなる…というコンセプトが、主婦の心をわしづかみにしたわけです。こういう一見、突飛な商品でありながら、じつは計算された現実主義的な発想が込められている部分は、いかにも大阪商人の面目躍如といえるでしょう。また高度経済成長期を迎えつつあって、当時の日本人の生活に「ゆとり」が出てきたことの表れだったともいえます。
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ネクタイプレッサーです。すこぶるキレイに皺がとれるとか。ネクタイ型の形状がユニークです。 |
象印マホービンが魔法瓶だけではなくていろんな生活用品の分野に進出するのもこの頃で、とくに1965年に登場した、半導体による電子制御の保温機能を備えた電子ジャーは、年間200万個を売る大ヒット商品となりました。他分野に進出した商品の中には、ネクタイのしわをとる「ネクタイプレッサー」やお湯を使ってプリンを作る「プリンメーカー」、くるっとまわすとにぎり寿司が出来上がるという「おすしやさん」と、なかなかレアもののアイデア商品が満載です。こういう部分にも、大阪商人の柔軟な発想力が伺えそうです。
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「真空の不思議 体験コーナー」です。展示コーナーのみならず、こうした参加型コーナーなどもあって、よりわかりやすく魔法瓶の世界について楽しむことが出来ます。 |
こうした商品紹介のほかにも、象印マホービンのあゆみをドキュメント映像でつづった「象印マホービンと社会の1世紀」や、かずかずの広告賞を手にした懐かしの「CM集」を楽しめる「暮らしの夢シアター」、まほうびん技術の基本である「真空」の不思議現象を面白おかしく体験できる「真空の不思議 体感コーナー」など、企業ミュージアムとしては充分すぎるぐらい充分楽しめる施設となっています。「魔法瓶」をモチーフにして伺い知れる、大阪人の発想力とバイタリティを、ぜひ一度は体験してみてください。
<DATA>
■まほうびん記念館
○所在地:大阪市北区天満1-20-5(象印マホービン株式会社内)
○予約受付先:06-6356-2340(予約受付時間 平日10:00~16:00)
※見学は完全予約制です。
事前に「希望日時、人数」のご連絡をお願いします。
○開館時間:平日10:00~12:00、13:00~16:00
※土日祝は休館
○見学の目安:約1時間ほど
○最大見学人数:10名/回
○入館料:無料
○アクセス:大阪市営地下鉄「南森町駅」
またはJR東西線「大阪天満宮駅」より徒歩約10分
※駐車場はないので各種公共交通機関をご利用ください。
○地図:
Yahoo!地図情報○HP:
まほうびん記念館