まろやかでフルーティーな上面発酵ビール
南ドイツならではの小麦入りビール「ヴァイスビア」 |
地域:南ドイツ アルコール度数:約5.4%
ヴァイスビアは、バイエルン特産の白ビール。原料の最低50%が小麦であることが条件で、少し濁った感じの色が特徴です。味は実にまろやかで甘みがあり、とってもフルーティー。炭酸が効いているため、フレッシュな味わいも楽しめます。アルコール度数が高めで少しくせのあるビールなので、ちょっと苦手な人もいるかもしれませんが、この手の味が好きな人はハマります。
最近ではヴァイスビアの人気もバイエルン州に留まらず、北の方へ徐々に広がってきているよう。と言っても北部でヴァイスビアを飲める場所はごくごく限られていますし、「バイエルンビールの代名詞」とも言えるヴァイスビアは、ぜひバイエルンで飲みたいところです。日本ではめったに味わえないビールなので、試してみる価値大ですよ!
「weiß(ヴァイス)」は「白」、「Weizen(ヴァイツェン)」は「小麦」という意味。ヴァイスビアには、下の方が細くなっている専用のグラス(容量0.5リットル)があり、レストランなどでは必ずこのグラスで出されます。
ケルン人の誇り「ケルシュ」。後ろに見えるのはケルン大聖堂 (写真提供:Deutscher Brauer-Bund e.V.) |
地域:ケルンとその近郊 アルコール度数:約4.8%
ケルシュは、ケルンとその近郊でのみ醸造することが許可されているケルン人誇りのビール。0.2リットルの細長いケルシュグラスもドイツではとても有名です。ケルンの町の至るところで、ホップの苦みが効いた淡い黄色のケルシュを、この細長いグラスでグイッと飲み干す姿が見られます。
デュッセルドルフの「アルトビア」 (写真提供:Deutscher Brauer-Bund e.V.) |
地域:デュッセルドルフとその近郊 アルコール度数:約4.8%
伝統的な醸造法で作られるアルトビアは、濃い琥珀色でフレッシュなホップの苦味が効いているビール。デュッセルドルフの人々にこよなく愛されていて、地元では「Alt(アルト)」と略して呼ばれます。量はケルシュと同じく0.2リットルですが、ケルシュグラスのように細長くはなく、少しずん胴なグラスで出されます。ケルンとデュッセルドルフは立地的に近いのですが、それぞれ異なるビールがあり、どちらも自分たちのビールに誇りを持っているところが面白いですね。
甘くて女性に人気の「ベルリーナー・ヴァイセ」 (写真提供:Deutscher Brauer-Bund e.V.) |
地域:ベルリンとその近郊 アルコール度数:約2.8%
ベルリーナー・ヴァイセは小麦入りのビールで、ラズベリーまたはWaldmeister(ヴァルトマイスター)という香草のシロップを加えて飲むのが一般的です。シロップを入れるため甘くなり、アルコール度数が低いことからも、女性に人気のビール。軽やかな味わいで、わずかに酸味も効いているため夏にぴったりです。
ここでは代表的な種類のみご紹介しましたが、これだけの種類を全部試すのもけっこう大変ですよね。ヴァイスビアは北の方ではなかなか飲めませんし、ケルシュはケルンにしかないので、自分の足で飲み歩かなければなりません。でもそれこそ旅の醍醐味です。新たな町を訪れるごとにその地元のビールを試してみて、あなたのお気に入りのビールを見つけてくださいね。同じ種類でもメーカーごとに少しずつ味が違うので、それらを比べてみるのも面白いですよ。
もっと特殊なビールについては、今後また改めてご紹介していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!
【関連記事】
【関連リンク】