地球温暖化を抑制するために、わたしたちが取り組みやすいことのひとつに、電力消費を減らすことがあげられます。先日訪れたスウェーデンでは、冬場の暖房にかかる燃料消費を減らすため、窓の大きさや角度によって、採光を増やす工夫をこらしている新しい住宅や、様々な方法で断熱をしている建物を見てきました。
|
スウェーデンの再開発地区では、冬場の日照を確保しようと、デザインに工夫を凝らした集合住宅を目にすることができます。 |
冬は比較的暖かく、夏蒸し暑い日本では、スウェーデンとは逆に、夏場のエアコンの消費を抑える工夫をしなくてはなりません。そのひとつが、植栽によって微気候を調整するという方法です。
微気候とは?
|
木が鬱そうと茂っているところでは、真夏でも涼しく感じるのも、微気候のひとつ。 |
ミサワホームのウェブサイトによると、
「微気候とは、住まいとその周辺に限った局地的な気候のことです。建物の設計や植物に影響を受けるため、温度も湿度も風も、広範囲の気象や気候とは微妙に異なります。」とのこと。大きな樹木が鬱そうと茂っているところでは、真夏でも涼しく感じたり、ビルとアスファルトの舗装道だけの街では暑く感じたりするのは、局地的な気候の違いから来ているもので、これを「微気候」といいます。
微気候を調整する植栽方法
日本では昔から、「南側の庭には落葉樹を植えるように」といわれていますが、これは、微気候の面からも理にかなっている方法です。落葉樹の茂った葉が夏場の日差しをさえぎり、落葉した冬には、貴重な日光を部屋の中まで入れてくれるからです。
|
ニガウリでつくった緑のカーテン |
これをマンションに応用したのが、「緑のカーテン」です。ニガウリなどを育て、ベランダにカーテン状に茂らせることで、夏場の室内の温度を下げようとする方法で、実践している方も年々増えてきています。この「緑のカーテン」は、一年草を毎年育てて行う方法ですが、ベランダでも品種を選べば、年々大きくなる落葉樹を育てることも可能です。
次のページでは
ベランダにおすすめの落葉樹を紹介!