2月に入り、住宅街でクリスマスローズが咲いているのを見かけたり、お花屋さんで売られているのを見かけたりするようになってきました。ここ数年、育種家の方たちが様々な品種を作出してくれている中で、園芸好きの方たちの中でも、人気が急上昇していて、今シーズンは特に、市場での流通が増えているように感じます。
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春花壇に咲く、ヘレボラス オリエンタリス |
常緑で、2月から3月という、あまり花のない時期に咲いてくれること、そして花期が長く、とても丈夫といった、庭に植える植物として便利な要素が揃っていることが、人気のポイントといえるでしょう。
日本では、クリスマスローズには様々な種類があると思われていることが多いですが、実は、ヨーロッパなどで一般的にクリスマスローズと呼ばれているものは、クリスマスの季節に咲く1種類だけ。さて、どれが本当のクリスマスローズかご存じですか?
いちばんよく見かけるのは、ヘレボラス オリエンタリス(Helleborus orientalis)
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うつむき加減に咲く、ヘレボラス オリエンタリス |
花がうつむき加減に咲く花姿と、様々なバリエーションがあるのが人気の、オリエンタリス系。従来のピンクやグリーン系の花色のものに加えて、ブロッチ入りのものや八重咲きのもの、黒花のものまで、数多くの品種が作出され、値段も、数百円で手に入るものもあれば、数万円するものまで、本当に様々な品種が手に入るようになりました。この読者の方の中にも、コレクションされている方がいらっしゃるかもしれません。
本当のクリスマスローズ、ヘレボラス ニガー(Helleborus niger)
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ドイツのクリスマス市で見かけた、クリスマスローズ。 |
先ほどの答えはこちら。ヘレボラス ニガーという純白の品種が、本来のクリスマスローズです。最近は、このことが、徐々に浸透してきているようで、クリスマスの時期に咲かせた鉢植えも流通するようになっていますが、東京近郊で地植えにした場合、残念ながら12月には咲かなくて、年が明けてから、オリエンタリスよりも若干早い時期に咲き始めます。
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落葉樹の足もとに咲く、ヘレボラス ニガー |
また、この花の魅力は、オリエンタリスとは違い、花が真横を向いて咲くこと、そして、その花色です。渋い色のオリエンタリスを樹木の足元などに植えると、あまり目立たないことがあるのですが、ニガーの、すくっと上を向いて咲く純白の花色は、植えられた空間を、パッと明るくしてくれる効果があります。
他にも
様々な種類のヘレボラスがあります。