ロングステイ/アジアでロングステイ

台湾・屏東県で民泊しながらロングステイ(3ページ目)

男性旅行作家のひとたちが、台湾南部に位置する屏東県で2ヵ月間、民泊ロングステイを体験しました。どのような体験をされたのか、ナマの声も交えた体験報告会の様子を取材しました。

千葉 千枝子

執筆者:千葉 千枝子

旅行ガイド

商家に民泊して原住民や客家を調べる

山野さん
「登山も台湾滞在の愉しみのひとつ」と語る山野さん
郊外の田園風景のなかで薬局を営む商家に滞在した山野修さんは、辺境を中心とした作品が多い旅行作家で、写真家です。ホストファミリーの商売の邪魔にならないよう、時間をみつけては、周辺の集落などへ写真撮影に出かけ、原住民や客家(はっか)を調べ歩いたといいます。

台湾には、現在44万人ほどの原住民が生活を営んでいますが、そのなかでも屏東地区には、ルカイ族やバイワン族が、かつての生活様式もそのままに、暮らしているのだそう。また、客家(はっか)と呼ばれる一族が多い地域だけに、ひととのつながり(人間関係)も濃密で、「本当の家族のように接してくれた」のだそう。

英語や日本語はあまり通じなくとも、「筆談で互いを理解しながら、大きな不自由なく、2ヵ月間を過ごせた」という山野さん。ホストファミリーのなかで最長老のおばあさんは、幼いころ日本語教育を受けた世代。初めはたどたどしい日本語だったのも、別れるころには言葉をどんどん思い出したようで、達者になったといいます。「蛙の鳴き声がうるさい田舎の街でしたが、ひとびとの暮らしには(金銭ではない)豊かさがあった」と語ります。

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