初級と比べ学習教材も少なく、いつまでたっても中級者の枠を出ないとお悩みのあなた!フランス語上級者への道は、やはりフランス語上級者に聞いてみよう!というわけで、今回は語学学校Culture International Clubの主催者であるマガロン依子さんに、「中級者の勉強方法」についてズバリお聞きします。
中級者に必要な「フランス語離陸」!
授業はもちろん、教材開発にも熱心なマガロンさん |
マガロン:「きっかけ」は、もはや、初心者、初級者ではない方々の行き詰まりを目の当たりにしたからです。
越智:この場合の脱初級者とは、初級文法を一通り終えた方という理解でよろしいでしょうか。
マガロン:ええ。フランス語だったら、自分のいいたいことはたいてい表現できる、とフランス語使用において「自由」を感じ、他人の目にも「あの人はフランス語ができる」と認識してもらえることを私は個人的に「フランス語離陸」と名付けております。基礎は一通り勉強し、先に進むしかないのに、「フランス語離陸」ができない方を、中級者としてこの教材の対象者としています。
「日本語思考パターン」から「フランス語思考パターンへ」とスイッチが切り替わらなければ、「フランス語離陸」はなく、それを日常できる練習問題によって引き起こすにはどうしたらいいだろう……と、生徒の方一人一人の顔を思い浮かべながら考えていたら、今回の教材「J'adore lire !」になりました。
どうして飛べない?中級者が「フランス語離陸」できないワケ
料理を授業にも積極的に取り入れるCulture International Club |
マガロン:問題点は、三つです。
1.語彙がない
2.話す時に作っている文章がブロークン
3.書く時に使える文章がワンパターン
私はこれらの難点打破の解決を「読解」に求めました。
なぜ、今「読解」?効果的な勉強法は?
ブロークンな会話からの脱出のためにも「読解」を! 画像提供:Culture International Club |
マガロン:「読解」といっても、単にフランス語を読んで分からない意味を辞書でひきながら日本語に訳すという作業だけではダメです。日本語を介した表面的なものではない、フランス語の語彙体系を自分の中に作り、分析を通して、フランス語の文型に触れ、フランス語的な文章パターンを、頭の中に浸透させることが必要です。
越智:そのための勉強方法について、具体的にお伺いしたいのですが。
マガロン:まずは、完全に文章の構成要素が分析し終わるまで(何が動詞で、何が主語で、目的語で、副詞か)辞書をひかない。次に、理解に必要不可欠であったにもかかわらず、知らなかったキーワードは、仏仏辞典で調べ、例文を書き写す。最後に、完全に理解した文章は、CDのお手本を使って、音読を繰り返し、今回の読解で出会った語彙が過去のものにならず、現在の使える語彙として頭の中に残るようにするというステップが重要です。
越智:なるほど。特に最後の「音読」に関しては、「理解できる」を「使える」に変化させるためにも必要不可欠な作業ですね。「読みっぱなし」がいかにもったいないかということは、常々感じているところではあります。
また、キーワードや例文を仏仏辞典で調べるというのは、わからない単語を「仏和や和仏」で引いて、そこにでている単語のニュアンスを調べもせずそのまま盲信して使ってしまうというのを避けるための訓練として非常に有効だとは思います。ただ、例えば仏仏を引いてもわからない、あるいは仏仏辞典の意味を理解するためには仏和が必要という方も中級レベルでは少なくないと思うのですが、その場合でも仏和は一切使用しないという理解でよろしいでしょうか?
次ページでは、「仏仏辞典との楽しいつきあい方」をご伝授いただきます。