映画「阿弥陀堂だより」を体感する癒しの棚田風景
ロケセットの阿弥陀堂は内部も見学化。小説・映画の世界がそのまま残っています |
実はこのお堂、ほんものではありません。
映画阿弥陀堂だよりで使われたセットなのです。映画完成後は撤収されるはずだったのですが、あまりに周辺の風景にマッチしており、地域の要望もあって、そのままの形で残されたのです。
原作は信州在住の医師・南木佳士の心なごむ作品。 文春文庫530円 |
都会でのストレスの多い職場で心に病を得た妻をつれて、夫の故郷、信州へ戻る中年夫妻。そこでの風景や人とのふれあいによって、心を癒していく物語です。
原作も映画も両方読み、観たのですが、どちらも味わいがあって、都市部で生活する者なら、一度は触れてみたい、自然と人情に包まれた温かい人間らしい暮らしが描かれています。
作品の中に登場する「阿弥陀堂」には北林谷栄が演ずる、90歳のおばあさんがたったひとりで暮らしいてる。貧しいが不平不満はなく、人や自然に感謝する日々。
忙しさを理由にする私たちが、生活の中で見失い、そぎ取られていく優しさや温かさを、再確認させてくれるおばあさんの存在。
この地に立つと、小説、映画を通して感じた感動がさらにまた、棚田の中でよみがえり、新たに大きな力が湧いてくるように感じさせます。
紅葉とはまたちょっと違う秋、心象風景のような癒しの情景に出会ってみませんか。
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