あんこう鍋
 
木枯らしに震え、お肌も荒れがちな冬。家にこもりがちな季節ですが、こんなときこそ、ほっこり系の癒し旅を。

特に寒さで凍えた肌にうるおいをくれるアンコウ鍋がおすすめです。今回は、アンコウが名物の常磐沖をご案内します。

1.アンコウ鍋発祥の地・北茨城を歩く
2.日本画の巨匠たちに出会う
3.ガイドが食べた絶品!アンコウ料理店一覧

アンコウ鍋と近代日本画の発祥地・北茨城をゆく

茨城県北茨城。旅先としてたあまりなじみのない地名ですが、実はここは風光明媚な海辺の町で、岡倉天心、横山大観ら近代日本画の巨匠たちが腕を磨いた地。

あんこう鍋
小さな港町・平潟。でもアンコウの水揚げ量は豊富で、港の周辺には地魚を食べさせる料理民宿が点在。
首都圏から日帰りもでき、雪もないのでマイカーでの冬旅も楽々なところ。電車では上野から常磐線一本で行けるエリアです。また美味なる魚の代名詞常磐沖のアンコウの獲れる場所なんです! そして、アンコウ鍋の発祥地でもあるんです。

まずはその発祥地と言われる平潟港へ。常磐線大津港駅から約3キロ。切り立つ岩に囲まれた深い入り江を生かした小さな港には、40艘ほどの小型船が錨を降ろし、猫と海鳥がのんびりと冬の淡い日差しに佇んでいました。
冬晴れの日差しは思いのほか暖かく、のんびり潮の香りを嗅ぎながら漁港散策。ゆったりとした時間がなんともいえません。

天然の良港である平潟港には、太平洋のヤナギガレイやフグ、ヒラメなど近海魚が揚がります。民宿の軒先にかかったカレイの干物など見ていると、なにやらお腹が空いてきます。

冬のこの時期おすすめなのが、コラーゲンたっぷりでお肌の潤い補給にもいいアンコウ鍋。平潟港はアンコウ鍋発祥の地といわれ、この地方の代表的な冬の味覚。鍋は<どぶ汁>といわれる漁師鍋がルーツ。漁港近くの料理民宿やまに郷作に足を運びました。

平潟は実は温泉(塩味のする塩化物泉)もあり、アンコウ鍋の昼食とお風呂付の日帰りプランを用意している宿がたくさんあります(一覧はこちら )。素朴な漁師宿がほとんどですが、それだけに、お値段は浜値。安くてとれたての新鮮な海の幸に出会えます。

私たちが利用した「やまに郷作」は民宿とはいえ、和風の落ち着いた建物。お庭を眺めながら、美味なるアンコウを堪能しました。お風呂付の4000円コースでした(料金は変わる可能性があるので、必ずご確認を)。

アンコウ鍋はしっかり煮込んだほうが味が染み出して美味.
アンコウのどぶ汁はまず、アン肝を鍋で煎りながら味噌を加えます。これが鍋の味のベースとなり、だし汁で溶きながらスープにします。

アンコウはつるし切りにして、七つ道具と呼ばれる白身や内臓、コラーゲンの宝庫である皮やヒレを入れ、大根や白菜など野菜とともに煮込みます。アンコウ鍋はじっくり煮込むのがコツ。煮込むほどに身が柔らかくなり、味がしみてくるんです。

白身のほろっとした上品な味わい、アン肝の濃厚な旨さ、それにぷるぷるっと口の中でとろける皮と、味、食感の違いを存分に楽しめます。ひとくち頬張るごとに、体が温まり、汗が噴き出してきます。なんか肌に艶が出てくるような気がします。たしかに翌朝、私の顔はつるつるでした!

最後はダシの出たスープにうどんを入れて、締めるのがおすすめ。店のご主人いわく、

「冬はフグより、蟹より、やっぱりアンコウだね。うまいし、なにより体にいいからね。肝臓など内臓を強くするし、体は温まるし、肌はつやつや。女の人には美容鍋といってもいいよね」。

皆さんも、ぜひ一度味わってみてください。ふぐの淡泊さ、上品さもいいですが、アンコウの旨みはものすごく深いんです。一度食べるとやみつきになりますよ。

次ページでは日本画家が愛した北茨城の絶景・癒し風景と周辺のおすすめアンコウ料理店をご紹介。