日常生活では味わえないことをする旅。気分転換やストレスの解消になる、そんな旅も癒しの旅。今回の旅は宝石探しと古代のロマンにひたる旅をお届けします。
突然ですが、あなたは金色と緑色、どちらが好きですか?
金色が好きと答えた方は弥生文化派。
そして緑色と答えた方は深層心理の中に、縄文時代に育まれた何かを持って生まれたのかもしれません。
縄文人が愛したヒスイ。
緑色のつややかな肌合いのヒスイにはかくも不思議な物語があるのです。
1.縄文文化の華・ヒスイの謎を追う
2.ヒスイを守った古代の姫君の伝承を追う
3.ヒスイ探しは冬の日本海が最適!ヒスイと冬の海の幸を追う
親不知ビアパーク前の海岸はヒスイ拾いのメッカ。波打ち際の小石を探そう |
縄文文化の華・ヒスイの謎を追う
今回の旅先は新潟県・糸魚川市周辺。ここは縄文文化だけでなく、アジアの王朝に愛され尊ばれたヒスイの産地なのです。
現在、この広い地球の中で、宝飾品として価値を持つヒスイを産するのはごく限られた地域。質量ともにすぐれているは糸魚川流域とミャンマーのみといわれています。
新潟にそんな貴重な場所があったことをご存じでしたか。
今を去ること5000年前から5世紀初頭まで、約5500年に渡る長い歴史の中で、糸魚川産のヒスイを使った勾玉などの宝飾品が、日本各地、また朝鮮半島や中国大陸でも見つかっています。
土器と矢じりぐらいしか学校では習わない縄文文化ですが、実は日本海交易が盛んで、さまざまな文化が東日本と大陸や半島を結んでいたのです。
しかし、水田耕作を主とした弥生時代の始まりから、糸魚川のヒスイは忽然として歴史の舞台から消え、再発見されるのはなんと昭和初期になってから。約1500年もの間、日本人から忘れ去られてしまうのです。
この不思議にして貴重なる宝石・ヒスイ。
古代ロマンに思いを馳せるとともに、この宝石を手に入れることもできる糸魚川を旅してみませんか。
この冬の荒波が、ヒスイをあなたの足元まで運んでくれるのです。
次ページではヒスイを守った古代の姫君の伝説、そしてヒスイを見つける宝探しの旅をご紹介します。