mean の持ついくつかの意味
銀行送金で1万円を払った |
mean という基本的な単語は誰でも知っていると思いますが、これにもいくつかの意味があります。おそらく一番知られている意味が、動詞としての「意味する」でしょう。もう一つ、名詞としてとてもよく使われる意味があります。それが
「手段」
です。ほかにもいろいろ大切な意味がありますが、今回はこの「手段」に注目します。
手段という意味でmeanを使う場合、複数形のmeansにすることが多くあります。これを使った例文としては、たとえば
I paid ten thousand yen by means of a bank transfer.
(銀行送金で1万円を払った)
という文章は、銀行送金(bank transfer)という手段(means)により1万円を払ったという内容になっています。あるいは
He has no means of livelihood.
(彼は○○○○がない)
は、生計(livelihood)のための手段(means)を持たないことから「○○○○がない」という意味になります。
by all means をマスターしよう
では、これを応用して by all means という表現を考えてみましょう。これは慣用表現としてよく使われるものですが、直訳すれば「あらゆる手段により」=「何としてでも」という意味を表すことがわかります。たとえば
The bankruptcy must be avoided by all means.
(倒産は何が何でも回避しなければならない)
というような使い方をします。ところがこれ以外に、さらに慣用的に用いられる意味があります。それが「もちろんだ」「そうだとも」という意味です。
相手の問いかけに対して「その通りです、もちろんです、そうですとも」と答えるときに certainly という言葉が使えますが、by all means はこれを強調したような意味になるのです。たとえば友人とレストランで食事をし、食べきれなかったものを家に持ち帰るときを想像しましょう。
客: Can we take this home? (家に持ち帰ってもいいですか)
店: By all means. (もちろんですとも)
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