2003年7月21日のHPホームページインタビューより
アメリカ・コンピュータ業界屈指の巨大企業、ヒューレット・パッカード社の元会長兼CEO。この重々しい肩書きは、一人の女性に与えられたものです。
その女性こそ、カーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)。この業界で知らない者はいない有名人です。
(はぁ?カーリー・フィオリーナって誰? という方、『1分でわかるカーリー・フィオリーナ』をご覧ください。)
40代半ばで大企業の社長に引き抜かれたこの女性、いったいどんな人生を送ってきたのか興味ありますよね。
そんな彼女が、あるインタビューで尋ねられました。
"What sacrifices did you have to make to get where you are and was
it worth it?"
「今の地位にたどり着くまでに犠牲にしてきたものはありましたか?犠牲を払ってよかったと思いますか?」
この質問に対する彼女の答えが、今回取り上げた言葉です。
その中で彼女は
I have no regrets.
と2度も繰り返しています。I have no regret. (単数形)ではなく、わざわざ複数形にしているのは、
「間違いや失敗はたくさんしてきたけれど、そのどれも後悔してないのよ」
という気持ちの現れでしょう。
失敗、挫折、間違いなどは誰でも経験するもの。それは、カーリー・フィオリーナも例外ではないようです。
スーパーウーマンなどどこにもいません。ただ彼女がそのように見えてしまうのは、失敗など恐れず、犯した間違いは後悔せず、前を向いて進み続けているからでしょう。
『間違いは誰でもするものと受け入れ、後悔している暇があったら次に何をするかに頭を使う』 彼女の言葉からは、そうした姿勢が伝わってきます。
どうやら人生の成功には、完璧を求めて失敗や間違いを避ける慎重な行動よりも、失敗を後悔しない強い心が大切なようですね。
とはいえ、人間は後悔する生き物。多くの人が、心に弱さを抱えています。カーリー・フィオリーナのような考え方を貫くには、強靭な精神が必要です。
彼女自身は、強靭な精神の持ち主であることは間違いないものの、性格は飾らず、自然に人を惹きつける魅力を持っているという言葉が、彼女をインタビューした人たちからよく聞かれます。強靭な精神力と人を惹きつける人間性・・・・。やはりトップに立つ人は、スゴイ!
1分でわかるカーリー・フィオリーナ |
スタンフォード大学で歴史と哲学を専攻 メリーランド大学経営学大学院でMBA取得 1980年、AT&Tに入社 1998年、通信機器メーカーであるルーセント・テクノロジー社のグローバル・サービス部門の社長に就任、同社を急成長させる 翌年、ヒューレット・パッカード社のCEOに抜擢される これほどの大企業では初めての女性社長であり、当時女性活動家からも喝采を浴びる 家庭内では、AT&T時代に知り合った夫が主夫業を務め、カーリーを支える 最近では、話題のカリフォルニア州新知事シュワちゃんの政権移行作業チームに選ばれる しかし2005年、同社のトップの座を降りる。巨額の退職金でも話題に >>本文に戻る |
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