「医師免許更新制度」実現のためには、医師法以外にも課題があります。
医師免許取得のための「医師国家試験」は全般的な知識を求められるものですが、実際の医療行為に不可欠なのは「専門性」。
したがって免許取得から時間が経過すればするほど、専門分野の知識は深まり、医師としての幅広い知識からは遠くなる傾向があります。
となると、「医師国家試験」とは違い、更新時には画一的な試験は適しませんし、何らかの試験を実施するなら、問うべき知識や能力、適性とは何を指すのか、その評価基準づくりにも相当な時間がかかるはずです。
そのため、下記のような方法が候補として検討されると予想できます。
(1)講習などの受講により「単位認定」を受ける (2)現行制度のまま、医師の適性を定期的にチェックするシステムをつくる |
(1)は、既に宅建(宅地建物取引主任者)などの資格で行われている方法で、更新のために決められた講習の受講や、単位・ポイントの取得などが求められるというものです。
(2)のモデルとして浮上しているのが「弁護士会」の方式。
日本医師会を、すべての医師が加入する強制加入団体に変更して懲戒権限を持たせ、医療ミスを繰り返すなど「適性に欠ける」と判断された医師を退会処分とすることで、医師の活動をできなくさせるというものです。
既に日本医師会側も、こうしたチェック機能の充実に前向きな見解を発表していますから、「更新制度」実現に、最も近い方法とも言えるでしょう。
どの方法を取るにしろ、同じ医療業界という性質上、先に挙げたような医療系国家資格もそれに追随する形で、何らかの「更新制度」を導入することは確実でしょう。
そして、この動きは、その他の国家資格や民間資格にもこんな影響を与えるはずです。
→難関「医療免許」が更新制になれば、その他の国家資格、民間資格にもこんな影響が?!