韓国語/韓国語の学び方

『私の頭の中の消しゴム』で学ぶ韓国語

その切なさに日本中が涙した『私の頭の中の消しゴム』。感動的で胸がキュンとなる名台詞から、韓国語を学んでみましょう!

幡野 泉

執筆者:幡野 泉

韓国語ガイド

もしも、自分が大切な家族や恋人のことをすべて忘れてしまったら……。韓国映画『私の頭の中の消しゴム』は、ソン・イェジン演じるヒロインが若年性アルツハイマーに侵され、最愛の夫や家族、すべての記憶を徐々に失っていくという悲しくも切ないストーリー。日本における韓国映画興行収入新記録を樹立し(工業通信社調べ)、さらに日本での韓国映画史上初の初登場第1位という輝かしい記録を打ち出した作品です。

肉体的な死よりも悲しい、精神的な死

画像の説明を入れてください
運命的な出会いをした2人は、「記憶」を失うことよって引き裂かれてしまう
©2004 CJ Entertainment Inc. & Sidus Pictures Corporation. All rights reserved.
イ・ジョハン監督は公式ホームページの中でこう話しています。

お涙頂戴の映画ではなく、観客の心に涙の落ちる音が響くような映画が作りたかった。その涙の音が、私たちの日常生活の一秒一秒を大切に楽しく生きる糧になってくれれば嬉しい。観客を泣かせるために誰かを殺すような考え方は嫌いです。忘れ去られていく悲しみは、死そのものよりも悲しいだろうと思い、記憶の喪失をテーマに遣いました。

『私の頭の中の消しゴム』は、単に「悲しい」のではなく、大切な人や、自分をとりまく環境、そして一瞬一瞬を大切に生きよう、そんなことを考えさせられる映画といえましょう。なんだかしんみりしてきてしまいましたが、ここでは今を大切に生きようとする皆さんに、この映画の中でも深く印象に残るフレーズご紹介したいと思います。

「これを飲んだら俺たちは恋人だ」

新婚生活は幸せの絶頂だった。
新婚生活は幸せの絶頂だった
©2004 CJ Entertainment Inc. & Sidus Pictures Corporation. All rights reserved.
愛の告白は人や場所、状況によって千差万別。それにしてもどうして韓国映画の愛の告白は、こんなにキューンとくるのでしょう。友人と屋台でお酒を飲んでいたチョルス(チョン・ウソン)のところに、スジン(ソン・イェジン)が偶然を装いやってきます。すでに惹かれ合っていた2人は、他を寄せ付けないような2人の世界に入っていきます。そんなとき、チョルスがスジンに韓国焼酎を並々と注ぎながらこう言います

  • 이거 마시면 우리 사귀는 거다

  • 「イゴ(これ) マシミョン(飲んだら) ウリ(俺たち) サギヌンゴダ(付き合うんだ)」

    無愛想で、その後も「愛してる」のひとことが言えない、チョルスの必死の愛の告白だったんですね。もちろん、スジンはその一杯を飲み干しました。そして熱いキスを交わすのです。

    「私の頭の中に消しゴムがあるって」

    自分が自分でなくなっていく……。悲しみに打ちひしがれるスジン。
    自分が自分でなくなっていく……。悲しみに打ちひしがれるスジン
    ©2004 CJ Entertainment Inc. & Sidus Pictures Corporation. All rights reserved.
    若年性アルツハイマー病だと宣告されたスジンが、それを知った夫、チョルスに対し言う言葉です。

  • 내 머리속에 지우개가 있대.

  • 「ネ(私の) モリソゲ(頭の中に) チウゲガ(消しゴムが) イッテ(あるって)」

    なんとも悲しい名台詞ですね。忘れられてしまう方と、忘れてしまう方、どちらが辛いんでしょう。新婚で、幸せの絶頂だった2人にあまりにも残酷な運命です。

    「俺が覚えていてあげる」

    チョルスは何が何でもスジンのそばにいようとする
    チョルスは何が何でもスジンのそばにいようとする
    ©2004 CJ Entertainment Inc. & Sidus Pictures Corporation. All rights reserved.
    この世でいちばん愛する人を、愛する人との思い出を、すべて忘れてしまうという現実。お互い良い思い出を持ったままでいたい、そしてチョルスはまだ若いからいくらでもやり直せる。失意のスジンはチョルスに別れを告げます。しかしチョルスはスジンを愛するがゆえ、ずっと側にいたい。そこでチョルスがスジンにこう言うのです。

  • 내가 기억해 줄게.

  • 「ネガ(俺が) キオッケ(覚えていて) ジュルケ(あげる)」

    いままでのことをすべて君が忘れてしまっても、俺が覚えていてあげるから。チョルスの精一杯の思いを感じ取ることができるでしょうか。「ネガ キオッケ ジュルケ」。 実は、この中に日本語と同じ発音の言葉が入っています。それは「기억(キオク)」。 そう、「記憶」ですね。 「기억하다(キオッカダ)」で、「記憶する、覚えている」という意味になります。

    例えば一度だけ会った人とまた会ったとき、「私のこと覚えてますか?」と聞きたいですよね。そんなときは、「チョルル(私を) キオッカセヨ(覚えてますか)?(저를 기억하세요?)」となります。

    いかがでしたでしょうか、『私の頭の中の消しゴム』。大切な人が、自分のことを知っていてくれる、自分も家族や、大切な人との思い出を胸に閉まっておける。そして、いつでも引き出しを開けては眺めることができる。それがどんなに幸せなことかが分かります。大切な人の手のぬくもりが恋しくなる、そしていつまでも離したくない、そんなことを思わせる映画です。胸に響く韓国語の台詞をぜひ味わってみてください。

    私の頭の中の消しゴム
    3月にDVDが発売されたばかりで、また話題を集めています
    【関連リンク】
  • 韓国から届いた<号泣ラブストーリー>(All About エンターテイメント 映画)

  • 私の頭の中の消しゴム-来日会見(All About エンターテイメント 映画)
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