IPネットワーク業界随一の資格

「シスコ認定技術者」の価値とは


 インターネットで通信を行うためには、TCP/IPというプロトコル(通信手順)を使わなければならないということは、最近では広く知られるようになりました。このプロトコルで通信を行うために使う主要な通信機器がルータと呼ばれる機械です。このルータ業界で圧倒的なシェアを誇るのがシスコ社です。
 IPネットワーク業界では非常に有名なシスコ社ですが、意外にもその認定資格については、書店で入手できる資格関連の書籍ではあまり詳しくはわかりません。そこで、シスコ社の認定技術者にはどんな種類があるのか?資格のメリットは?難度は?などさまざまな角度からこの資格について検討してみました。


試験の概要

 シスコ認定技術者の試験は、試験会場で行われますが、試験方法はPCを用いたいわゆる電子テストです。一部の資格を除いて、合否判定はその場でわかります。
 費用は、15000円から30000円程度。
 合格率については公表されていないため不明ですが、私の周囲に居るネットワーク技術者たちによると、平素からルータネットワークの実務を担当している者にとっては、CCNAはかなり容易に取得出来るとのこと。
 ただし、CCIEという最高峰の資格については実技もあり、かなりの難関といわれています。
 各試験には、対応するトレーニングコースも設定されており、これを受講してから試験を受けるのが一般的といわれています。
 また、一つだけ試験を受ければ取得出来る資格と、複数の試験が必要になるものがあります。


シスコ認定技術者資格の種類

 3つのランクがあります。アソシエイトが入門クラスでその上がプロフェッショナル・エキスパートと難度が高くなってゆきます。ネットワークサポート、ネットワークデザイン、コミュニケーション&サービスの各分野において、それぞれこれら3つのランクに対して資格が設定される予定と思われます。というのも、現在これら3つの分野全部に資格が設定されているのは、ネットワークサポートの「ルーティング&スイッチング」というカテゴリだけなのです。
 とりまとめると以下のようになります。
 

アソシエイト プロフェッショナル エキスパート
ネットワークサポート ルーティング&スイッチング CCNAルーティング&スイッチング CCNPルーティング&スイッチング CCIEルーティング&スイッチング
WANスイッチング CCNA WANスイッチング CCNP WANスイッチング
ネットワークデザイン ルーティング&スイッチング CCDAルーティング&スイッチング CCDPルーティング&スイッチング
WANスイッチング CCDP WANスイッチング
コミュニケーション&サービス CCIP CCIEコミュニケーション&サービス


資格の概要

CCNA(Cisco Certified Network Associate)
 小規模オフィスのネットワークの設定・運営を行うことが出来る。

CCDA(Cisco Certified Design Associate)
 小規模オフィスのネットワークデザインを行うことが出来る。

CCNP(Cisco Certified Network Professional)
 ネットワークの高度な知識を有し、広範囲なプロトコルの設定・運営を行うことが出来る。

CCIP(Cisco Certified Internetwork Professional)
 ネットワークにおける高度な技能を持ち、IPマルチキャスト・IP電話など様々なテクノロジを細部にわたって理解している。



各資格の受験資格と有効期限

 CCNAについては受験資格は得にありませんが、それ以外の資格には受験資格が設定されている場合があります。大抵の場合、一つ下の資格を所有していることが資格になっています。
 また、ここがITベンダー資格の特徴なのですが、各資格には有効期限があります。ドッグイヤーといわれるネットワーク業界にあっては、今の技術が数年後も有効とは限らないという実用に合わせているからでしょう。
 有効期限以内に再認定試験を受けて合格するか、より上位の資格を取得しない限り失効になります。
 この再認定試験というのは資格取得試験と同じものもありますが、別の試験の場合もあります。

受験資格 有効期限
CCNA 得になし 3年間
CCDA 無いが、CCNA認定を受けておくことが強く推奨されている 3年間
CCNP CCNA認定 3年間
CCIP 無いが、CCNA認定を受けておくことが強く推奨されている 3年間
CCIE 実務経験2年以上、シスコ社の製品を扱い、障害対応経験があることが望ましい。 1年以内にラボテスト(実技試験)を受講しないと失効する



CCIEについて

 この資格は、大変な難関といわれています。何しろ、試験は100問もあってこれを3時間以内に解かねばならない上に、なんとこの試験は全て英語なのです。
 シスコ社の認定技術者は全世界で通用する資格ですから、当然なのかも知れませんが、それにしても英語圏以外の技術者にとっては少し厳しいですね。その為か、この資格所有者は全世界で約6000人といわれる中で、日本には約300名程度しか居ないといわれています。
 それだけに日本でこの資格を所有している技術者は極めて希少価値があるといわねばなりません。
 私は、一人だけ資格所有者を知っていますが、東京工業大学出身の切れ者で、ネットワーク技術者としての実務経験は10年以上。現在は米国で仕事をしています。
 


 シスコ認定技術者の価値について

 この資格は、業界では評価の高い資格であることは事実です。ただし、資格にも種類があるので、例えばCCNAを所有しているからといって、どこでも通用するかというとそうではありません。
 最近は、就職活動中の大学生でもCCNAを取得して履歴書に書いてくる人が居るくらいですから、大学のキャンパスで鍛えたくらいの腕前でも取得出来る資格なのでしょう。
 むしろ、価値があるのはその上の一連の資格です。
 ただ、この資格には将来性はあると思います。最近では、大手電話会社の基幹ネットワークもすべてルータで構成される時代です。ルータ技術は汎用性のある、「つぶし」がきく技術なのです。
 おそらく、シスコ認定技術者資格もより種類が増えてゆくことでしょう。それにつれて社会の認知度も上がり、やがては現在の「初級シスアド」のように、誰もが取得したがる資格になるのかも知れません。

 シスコ認定技術者の詳細についてはこちらをご覧下さい。