今回ご紹介した京劇の基礎知識については新潮劇院主宰、張春祥先生にレクチャーしていただきました。張先生は来日して10年、日本を拠点に新潮劇院で定期的に公演を行っている他、テレビや映画、舞台などでも幅広く活躍なさっています。
新潮劇院には、NHKテレビ中国語会話でおなじみの廬思さんも所属しています。
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記事中の写真も、すべて新潮劇院の公演写真からお借りいたしました。ありがとうございました。
張先生に京劇の楽しみ方についてコメントをいただきましたのでご紹介します。
京劇の楽しみ方…そんなものは「ない!」ですね。京劇のどんなところが楽しいか、とても説明しきれるものではありませんよ。
よく、京劇というと「立ち回りがおもしろい!」という言葉を聞きます。
確かに京劇の中には派手な立ち回りやアクロバットまがいの演出をしているものもありますが、それだけじゃサーカスになってしまいます。
京劇は「劇」です。そこにはストーリーがあり、登場人物の心が表現されています。ですから、京劇を観る人はぜひ、衣装とか、立ち回りとか、そういう目につくところばかりではなく、「心」を感じてほしいと思いますよ。
いろいろな演目がありますから、ぜひたくさん見て、たくさん、いろんなことを感じてください。
■おまけ:望月が考える京劇の見どころ■
京劇初心者が初観劇後に感じた、見どころをまとめてみます。
京劇役者の眼力
京劇メイクは目の動きを際立たせていますが、役者さんの目の動きには凄い力があります。孫悟空の可愛いきょときょとしたまばたき、三蔵のゆっくりと厳しい視線、妖怪の妖艶で邪悪な秋波と時にコミカルに泳ぐ目…そんな眼力を浴びてしまったら、もう逸らすことはできません。
鍛えられた肉体の動き
アクロバティックな動きも、優雅な動きも、どちらも体の重心がしっかりと安定していて指先、足の爪先まで、研ぎ澄まされた美しさが漲っています。
音楽・声・歌
銅鑼やシンバルの音に合わせて笛のメロディーが流れ出すと、一気に中国世界へ連れて行かれます。そして始まる京劇独特の美しい中国語の台詞まわしと歌…。耳から中国が入ってくる!という感じでした。
まだ京劇未経験の方、一緒に京劇迷への第一歩を踏み出しましょう!
INDEX
■登場人物は4パターン■
■衣装でわかる 主役・脇役■
■想像力を働かせるツボはココ!■