フランス/フランスの観光・世界遺産

ランス、世界遺産の町(2ページ目)

ランスは町中が世界遺産だらけ。三大ゴシック大聖堂の一つノートルダム、サン・レミ教会、そしてトー宮殿。あの奇跡の少女、ジャンヌ・ダルクゆかりの地でもあるんです。

執筆者:赤木 滋生

あ、まだあわてて大聖堂に駆け寄っちゃだめですよ!すぐ手前に、ほらブルー地に赤のiマークが見えるでしょ。ツーリストインフォメーションです。ここでまずランスの観光情報をゲットしましょう。シャンパンのドメーヌ巡りや周辺情報、宿の手配などもここでばっちりです。

西側入口(ファサード)を飾る受胎告知の彫刻群。周りは大小取り混ぜ数え切れない彫刻群がびっしりとはめ込まれている。2度の大戦によって破壊されたこれらの彫刻も大勢の建築家によってすっかり元通りの姿に復元された。
さて、いよいよ大聖堂です。まず西側の正面入口(ファサード)のほうに回ってみましょう。どっしりとした2つの塔は左右シンメトリーになっています。三大聖堂でもシャルトルアミアンは高さも形も左右微妙な違いがありますが、このランスの大聖堂は高さだけではなく、開口部の比率や配置など、全体のフォルムのバランスがすばらしく、美しさと力強さを兼ね備えたすぐれたデザインが輝いていますね。

大聖堂の入口を支える柱には聖母子像の彫刻。ゴシック様式の、遠くから見ると模様のように見える壁面は、近づくとすべてびっしりと埋め尽くされた彫刻群であることがわかる。
遠くから見ると壁面のざっくりとした生地模様のように見える編み目一つ一つが、近づいてみるとそれぞれ精細に彫り込まれた彫刻であることに驚かされるはずです。例えばファサード中央の軒には、聖書でおなじみの、聖母マリアの受胎告知の状況がリアルに表現されています。天使が飛び交い、ずらりと並ぶ彫像はそれぞれ聖書に登場する聖人たちの祈る姿です。柱は聖母子像、もちろん抱かれているのは主イエズス・キリストです。同じ模様や彫刻の繰り返しに見えますが、よく見ればそれぞれの彫刻にはすべて別々の意味や物語が語られています。


西側ファサード(入口)の壁面を飾るステンドグラス。西日を受けて輝く色彩は天国への門を思わせる。この美しさを味わいたければ、訪れるのはぜひ夕方に。
流の口から雨水が流れ出る雨樋や明り取りの窓を飾るステンドグラスなど機能と芸術を兼ね備えたすぐれた意匠が惜しげもなくそそぎこまれていて、細かい所を見ているときりがありませんね、中に入ることに致しましょう。

一歩中に入ると、これまで明るい光に晒され縮まっていた虹彩が、一瞬にして開いてゆくのが感じられます。聖堂内面の影が造り上げた漆黒の縁取りに、大きくとられた窓から差し込む外光が、ステンドグラスによってさまざまに色づけられ、目に飛び込んできました。
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