フランス/フランス関連情報

すっきりとした街並み、消えた電線の謎に迫る。 フランスの景観はなぜキレイ?(2ページ目)

何百年も昔のままと思われがちなフランスの街並み。でも一昔前には電柱が立ち並び、空には網の目のような電線があったことも。今ではフランス中どこに行っても見ることの出来なくなったあの電線はどこに行ったの?

執筆者:赤木 滋生

掘り返しは一度だけがいい


所々に設けられたボックスは、電気、ガス、水道、電話、ライフラインのすべてをメンテナンスでるようになっている。工事も同時に行われる為無駄がない(はず)。
埋め込んだは良いけれど、メンテナンスができなきゃ又掘り返さないといけません。そこで埋め込んだボックスで電気、ガス、水道、電話、ライフラインのすべてを接続し、簡単に取替えや修理、増設ができるように工夫されています。高い所の作業がないので作業員の負担も少ないみたいですね。

電線が消えるのはすっきりするだけかもしれませんが、電柱が消えるのはさらにメリットが大きいんです。古くから変わらぬスタイルを持ち続けるフランスの古い街並みはそれでなくても路地が入り組み車が通り抜けるのもやっと。そんな所にでんと太い電柱に居座られたんじゃたまりません。第一、歩行者や自転車がすみっこに追いやられるなんてことになるのは本末転倒。快適で安全な暮らしを守る為にも電線の埋設は一役買っています。

ライフラインはすっきりまとめて


ガスの供給器も電気や水道と仲良く同居。パイプやコードなどはすべてソフトな物が使用され、地盤の変化や振動にも柔軟に対応できる。
パイプを埋め込むと言うと丈夫な鉄の管を想像しますが、現在使われているのはカラフルな樹脂パイプ。力がかかってもぐにゃりと曲がって逃がしてしまいますし、引っ張られてもにゅっと延びて切れたり割れたりがありません。まったく地震のないフランスでも車の振動や地盤の沈下は心配ですがこれなら安心です。

フランスの電力会社はEDF(Electricite de France)という国営企業です。ガスも同じくGDF(Gaz de France)。水道も電話も公営企業なので実情はともかく、建前として連携が取りやすく、企業ごとにばらばらに工事を行い年がら年中掘り返してばかりという困った状況は少なくなっているはずです(多分?)。
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