■実りの秋、ぶどうの収穫祭を楽しもう!
9月ともなるとフランスは秋に向かってまっしぐら、ワインの名産地では9月始めからあちこちでぶどう収穫祭(Fete du Vin)が始まります。アトラクションや屋台などでにぎわう中、おいしい郷土料理と共に試飲して歩くのも楽しいものですね。
実はぶどうの収穫と言っても土地や品種によってさまざま、8月末から遅い所では、木の上で充分発酵する年末まで決して収穫しない所など様々です。
さて、そこでパリからの交通の便や祭りの規模、ワインの知名度などから言ってもっともポピュラーで、しかも人気があるためホテルや晩餐会の申し込みに早めの手配が必要なブルゴーニュ近辺の秋のワインイベント中心に紹介してみましょう。
■先ずは9月10月の収穫祭
この時期の収穫祭は地味だったり、不便だったりしますが、たまたま訪れるならラッキーです、ぜひ立ち寄ってみてください。
1.ボジョレー地区のレルミタージュ(L' Ermitage)で9月15、16日の土日に収穫祭が開かれます。
2.アルザスのサン・ティポリット(Saint-Hippolyte)の新酒祭り(Fete du Vin Nouveau)は9月16日から一週間。ピノノワール種で有名です。
3.プロヴァンスのサン・テミリオン(St-Emilion)。ここは巡礼の町として、又ワイン街道としても有名ですが、残念ながらここは既に9月始めに終わっています。
4.手軽な所ではパリのモンマルトルの丘のすぐ北側でもこれはびっくり、千年以上も昔からワインの収穫祭が行われています。10月6日サン・ヴァンサン通りあたりにステージがしつらえられますので、込みますが運がよければパレードを見ることが出来ます。
■すっかりおなじみ、ボジョレー ヌーボー
いつぞやの日本を挙げての熱狂もすっかり影をひそめたとはいえ、まだまだ人気のあるボジョレー・ヌーボーの解禁は11月の第三木曜日、今年は11月15日です。フルーティーな香りとさわやかな酸味は晩秋の風物詩として見逃せません。
フランスではもちろん馬鹿騒ぎしてる人々は認められず、ただキャフェやビストロ、レストランなどにLe Beaujolais Nouveau est arrive!(ボジョレー・ヌーボー 入荷しました!)の看板が目を引くばかり。素朴な新酒の味を求める人々の目を誘っているだけです。人気と言うよりすっかり生活の中にとけ込んでいると言いましょうか、ごく自然な行事となっています。
もともとボジョレー地方はブルゴーニュの南にあり、ここで栽培されるぶどうはガメイ種という赤ワインの、しかも若いうちに飲んでしまう、熟成させないタイプが中心です。ボジョレーというと軽いというイメージがありますが、このぶどうから出来たワインは必ずしも軽いものばかりとは限らず、酸味や渋みが強いものもあり、バラエティに富んでいます。共通しているのはフルーティな新鮮さ、肩のこらない食事にぴったりです。
パリにしか滞在予定が無い場合も、街角のビストロやブラスリーなどで気軽に新酒の味わいを楽しんでみるのは如何でしょうか。